ローン相談

中古住宅のローン控除と住宅ローン審査

住宅ローン全般 その他

公開日

2025.12.12

更新日

2025.12.15

2026年度の税制改正大綱について、中古住宅の住宅ローン控除の限度額を条件付きで最大4500万円に引き上げ、適用期間も従来の10年から13年に延長されるとの一部報道がありました。新築住宅の価格高騰、それに伴う中古住宅の需要の高まりから、中古住宅購入者への支援拡充を政府として決定したものと思われます。新制度の詳細についてはまだ正式発表されておりません。現行の制度をもとに、中古住宅を購入する際のチェックポイントを再確認しましょう。

 

中古住宅の場合、住宅ローン控除の要件は全部で10個あります。ただしそのうち7個は、床面積の要件や取得後6か月以内に入居する要件など、新築住宅と変わりません。中古住宅特有の要件は以下の3点になります。

 

①建築後使用されたものであること。

新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋であること。

(登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋とみなす。)

③マイホームの取得先が配偶者・父母・子など特別な間柄でないこと。

 

①と③は問題ないとして、②について詳しく見ていきましょう。

 

 

新耐震と旧耐震

 

耐震基準には、建築基準法が大きく改正された昭和56年を区切りとし次のような違いがあります。

 

旧耐震基準・・・1981年(昭和56年)5月31日以前に建築確認を受けた建物

性能・・・震度5程度の中地震で建物が倒壊・損壊しないこと。

 

新耐震基準・・・1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物

性能・・・震度6強~7の大地震で建物が倒壊・崩壊しないこと。

 

 

原則として旧耐震の中古住宅は住宅ローン控除を受けることができませんが、次のいずれか一つの書類を確定申告の際に提出できれば住宅ローン控除を受けることができます。

 

A:耐震基準適合証明書

B:建設住宅性能評価書の写し(耐震等級1以上)

C:既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書

 

実際に中古住宅の購入を検討される際、細かく全て記憶しておく必要はないと思いますが、耐震基準によって住宅ローン控除の可否に線引きが存在すること、そして旧耐震であっても条件を満たせば住宅ローン控除を受けることができること、この2点は認識しておくと良いと思います。

 

住宅ローン審査と耐震基準

 

旧耐震基準の場合には、住宅ローン控除を受けられるかどうかとは別に、金融機関から住宅ローンの融資を受けられるかどうかというハードルがあります。やはり老朽化や耐震性能の面から、担保評価が低くなるためです。

住宅ローン控除のハードルをクリアしていれば、ローンの審査上問題ないのでは?と思いたくなりますが、旧耐震基準の物件に関しては金融機関によって取扱いが様々です。金融機関のスタンスとして、大別すると次の4パターンに分かれます。

なお、住宅ローン控除の要件は「中古住宅」なので制度上はマンションも戸建も区別はありませんが、住宅ローンとしては中古マンションの話だとお考え下さい。

 

①原則取扱い可

②耐震基準適合証明書があれば取扱い可

③個別相談

④原則取扱い不可

 

取扱い可でも、担保評価が低いために金利が上乗せになったり、借入期間の制限があったり、物件価格の満額は借りられないなど、一定の制約がある金融機関も多い印象です。一方で、旧耐震物件は全面的に取扱いができない金融機関もあります。

旧耐震基準の中古マンションで住宅ローンの申込をする場合は、予め金融機関が設けているハードルをクリアできているか?という視点を持って金融機関を選択し、申込に進むことが肝要です。なお、耐震基準適合証明書の取得が必要な場合には、建築士事務所や指定確認検査機関に耐震診断を依頼することになります。

 

フラット35における旧耐震物件の取扱い

 

旧耐震物件の取扱いスタンスが明確になっている住宅ローンの一例としてフラット35をご紹介します。

フラット35のHP「対象となる住宅・技術基準」の中で、住宅の耐震性については次のように記されています。

 

”建築確認日が昭和56年6月1日以降であること(建築確認日が昭和56年5月31日以前の場合は、耐震評価基準などに適合)”https://www.flat35.com/loan/tech.html 【フラット35 対象となる住宅・技術基準】

 

フラット35は旧耐震物件に限らず、住宅金融支援機構が定める技術基準をクリアしていることを証明する、いわゆる「適合証明書」の提出が必要です。この「適合証明書」は「耐震基準適合証明書」とは異なるもので、耐震基準以外にもいくつかの基準について診断を行い、発行されるものです。「耐震基準適合証明書」を取得していれば、耐震基準に関してはクリアできる可能性が高いものの、それだけで「適合証明書」を取得できるわけではないということには注意が必要です。逆に言えば旧耐震物件であっても、「適合証明書」を取得できればそれでクリアできます。

 

 

 

まとめ

 

中古住宅(中古マンション)を購入する際のポイントを、耐震基準の観点から見てきました。

住宅ローン控除と住宅ローンの融資においては、どちらも旧耐震基準というハードルがあること、そのハードルをクリアするための条件は住宅ローン控除と融資ではイコールではないこと、この2点は覚えておきましょう。

 

駅近などの好立地では築年数の古いマンションも多く、値段もお手頃で魅力的に見えます。そういった物件を住宅ローンを利用して購入したいという場合には、不動産会社ともよく相談しながら、ローン控除や融資のハードルをクリアできる物件を探していきましょう。

ポラスのローンコンシェルジュでは住宅ローンに関するご相談を無料で承っております。気になることがあれば是非ご相談ください。

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ちなみに

 

新耐震基準とは、昭和56年に建築基準法が大改正された結果、設けられた新たな基準のことで、同法上「1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物」がそれにあたります。

 

一方、中古住宅で住宅ローン控除を受ける要件の一つを改めて見てみると・・・

 

②新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋であること。(登記簿上の建築日付が1982年(昭和57年)1月1日以降の家屋については、新耐震基準に適合している住宅の用に供する家屋とみなす。)

 

とあります。住宅ローン控除の申請上、新耐震なのか、旧耐震なのかは、登記簿上の新築日を見て判断するということですね。

何故表現と区切りの日付が微妙に違うのかというと、住宅ローン控除について定めた租税特別措置法の中で、昭和57年(1982年)1月1日以降に建築されたものが新耐震基準適合しているとみなされる、とされているからです。

 

これは税務手続きの利便性を図るために設けられた税法独自の規定です。実際のところ、住宅ローン控除の確定申告をする際、登記簿は提出しますが、建築確認済証は求められておりません。税制実務上、わざわざ正確な建築確認日を確認するという必要性は低く、登記簿の建築日で済ませているということです。

 

では、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けて、なおかつ登記簿上の建築日付が1981年(昭和56年)12月31日以前の建物はどうなるのでしょうか??建築基準法上は新耐震基準なのに、租税法上は旧耐震基準という矛盾が生じています。

 

このケース、結論として住宅ローン控除を受けることができますが、耐震基準適合証明書など、新耐震基準を満たしていることを証明する書類の提出が必要です。イレギュラーですが、滅多にそのような物件には遭遇しないでしょう。

 

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