住宅ローンについてインターネット等で調べていると、<基準金利><金利優遇幅><適用金利>等々、金利に関するワードが関連用語として出てきます。
では、【実際の住宅ローン金利がどのように決定しているか】また【変動金利と固定金利の金利決定方法が異なっているのは何故か】ご存知でしょうか?
本記事にて説明させて頂きます。
基本的な住宅ローンの金利は、以下の流れで決まります。
① 基準となるレートに基づいて<基準金利*1>が決定→主に市場の金利情勢等が影響
② 住宅ローン審査によって<金利優遇幅*2>が決定→主に資金計画、ご収入状況、返済比率等が影響
③ 基準金利 - 金利優遇幅 = 実際の<適用金利*3>が決定
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*1「基準金利」…各金融機関が設定するローンの金利のこと。店頭金利とも呼ばれる。一般的な商品でいう『定価』にあたる。
*2「金利優遇幅」…基準金利からの割引幅。一般的な商品でいう『値引き幅』にあたる。金融機関の審査によって決まる。
*3「適用金利」…実際の支払(返済)額を計算する上で用いられる金利。
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適用金利の算出式は固定金利・変動金利に関わらず、当てはまります。
住宅ローンを借りる側からすれば、基準金利が低く設定され、かつ、優遇幅が大きく設定される事が好ましい状態と言えます。(適用金利が低くなる為。)
基準金利は金融機関ごとによる差は少なく、どちらかというと金利優遇幅が金融機関ごとに差が出ます。
なぜなら、金利優遇幅は金融機関が独自に設定し、案件ごとに適用金利を調整できる様にしている為です。
例えば、返済比率が高めな案件については、貸す側(金融機関)のリスクが高いと判断され、金利が高めに設定される事もあります。
上記は一例ですが、優遇幅を都度設定し適用金利を調整する事で、様々な案件に対応しているという事です。
さて、金融機関ごとに差が出にくい<基準金利>については、変動金利と固定金利では全く別の指標を基準とするので、それぞれの仕組みを説明していきます。
変動金利は短期プライムレートと呼ばれる金利を基準としています。
「短期」とは1年以内、「プライム」とは最優遇を表します。
すなわち金融機関が企業に短期資金を融資する際の最優遇金利のことです。
そして短期プライムレートは日銀の政策金利に連動します。
更にさかのぼると、日銀は日本国内の経済実態を見て政策金利を決定します。
つまり住宅ローンの変動金利は、感覚的に言えば「今」現在の景気に影響されます。
好景気となれば、日銀が政策金利を上昇させるよう動き、その結果として住宅ローンの変動金利が上昇する、というようなメカニズムです。
住宅ローンの固定金利は、国債市場で取引される10年国債の利回りを基準として金利が決定されます。そして国債利回りは国債を取引する投資家達の動きによって決まります。
投資家は将来を予測して取引を行いますので、変動金利のように「今」の状況ではなく、「将来」の予測によって利回りが決定します。
つまり住宅ローンの固定金利も「将来」の予測に影響されるという事になります。
※なお最近国債利回りが上昇しているのは、日本銀行の金利政策見直し(YCC修正等)が主たる要因とされています。
まとめますと、3つのポイントがあります。
① 変動金利は「今」、固定金利は「将来」の予測で決まる
② 金利決定の仕組みが全く異なる
③ 固定金利が上昇しても、変動金利も上昇するとは限らない
いかがでしたでしょうか?
日常生活の中で金利というワードを意識する事は少ないかもしれませんが、住宅ローンを利用する際には理解しておく必要があると思います。
ご不明な点等ございましたら、ぜひお問い合わせ下さい。
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