ローン相談

登記のために住民票を変える必要はある?

税制 その他

公開日

2020.10.16

更新日

2024.3.27

今回は、お引渡時の住民票の異動についてご説明したいと思います。

居住用の物件をご購入いただいた方は、お引渡前のお手続きとして、「新居へ住民票を異動する」というお手続きが発生します。
 

これは、物件の登記(所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権の設定登記)に関係するためです。

多くの方が自身でお住まいになる前提で住宅をご購入いただいているので、新居に住所を移され、新住所にて登記をされます。

 

しかしよくこのようなご質問・ご相談を受けることがございます。

「転居手続きの時間がないので、現在の住所で登記ができないか。」

「子供の保育園の手続きですぐに住所を移すことができない。」

などなど・・・

結論から申し上げますと、手続き上は現在の住所で登記も可能です。
ただし移さない場合、登記料に影響してくる場合がございます。

新居に住民票を移すというのは、今ご自身がその住宅にお住まいになっている=新居に居住をしている、ということの証明になります。

 

租税特別措置法では、
「建築後使用されたことのない住宅用家屋、又は建築後使用されたことのある住宅用家屋のうち政令で定めるものの取得をし、個人の居住の用に供した場合には、これらの住宅用家屋の所有権の移転・保存・抵当権の設定の登記に係る登録免許税の税率を軽減する」
と規定されています。
(※租税特別措置法 第72条の2、第73条、第75条 の要約)

 

つまり、自己居住用の住宅ということを証明すれば、登記料(登録免許税率)の軽減を受けることが出来るということです。
軽減税率は以下の通りです。

 

・所有権の保存登記(建物)

本則 0.4% → 軽減税率 0.15%(長期優良・認定低炭素住宅については0.1%)

・所有権の移転登記(建物)

本則 2.0% → 軽減税率 0.3%(長期優良・認定低炭素住宅については0.1%、ただし一戸建ての長期優良住宅については0.2%)

・抵当権の設定登記

本則 0.4% → 軽減税率 0.1%

【いずれも2024年3月31日まで適用】

 

 

少し専門的な内容となってしまいますが、「自己居住用の住宅」であることを証明するためには各自治体で発行している「住宅用家屋証明書」という書面が必要となります。
(通常は、登記を担当する司法書士が代理で取得していることが多いです。)
そしてこちらの発行には「新住所に異動後の住民票」が必要なのです。

 

では現住所で登記をするということになると、どうなるでしょうか。
住民票が現住所のままですと新居に居住したとみなされないため、通常は「住宅用家屋証明書」が取得できない=登記料の軽減を受けることが出来ないということになります。

 

しかし前のご相談にもあったように、お子様の保育園などの手続き上、どうしてもすぐに転居が出来ない、という方もいらっしゃいます。

その場合は「訳あってすぐに転居は出来ないが、自身の居住用の住宅である」という申立てを役所へすることで、
住宅用家屋証明書を発行できる場合がございます。
申立ての書面と、現在のお住まいの処分方法や証明できるものを自治体に提出することで、やむを得ないと認められ、住宅用家屋証明書を発行していただくことが可能です。

 

あくまで転居したくても出来ない理由がある場合に利用できる措置ですので、ただ転居手続きの時間がないなど自己都合での理由は認められない場合もございます。

またアパートなどの収益物件法人様ご名義での登記ご親族様が住む為の建物の登記は、「個人の自己居住用の住宅」に当てはまらないため、登記料の軽減は受けることが出来ません。

さらに対象物件の床面積50㎡以上など、物件によっては対象とならない場合がございます。

諸条件、必要書類や利用可能の可否については、各自治体にお問い合わせください。


長くなりましたが、お客様がご安心して登記手続きが出来るよう、ローンコンシェルジュがサポートさせていただきます。

今回の内容以外のことでも、ご不明な点・ご相談がございましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください!

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