今回は住宅ローンの返済、一括返済についてお話をします。
【1】住宅ローン返済スタート
【2】ライフスタイルの変化に伴う一括返済
【3】一括返済した場合のメリット・デメリット
【4】一括返済利用に適したローン契約とは
住宅ローンの返済は、原則として物件引渡しの資金決済後からスタートします。
民間銀行でローンを組んだ場合、ローン契約をした銀行の預金口座から毎月支払額が引き落とされ、住宅ローンの元金及び利息の返済に充当されます。
毎月の支払が遅れないように、給与振込口座とローン返済口座を同じ口座に設定される方も多いようです。
金融機関の選定に悩んだ時には、給与振込先の銀行で審査をしてみるのも良いかも知れません。
給与振込口座は生活用口座と結びついている事も多く、生活関連の周辺手続きを行わずに安心して住宅ローン支払いが進められる事は、メリットと言えそうです。
(※ローン返済スタート時には元金据置返済という制度があります。詳細は元金据置返済についてをご覧ください。)
住宅ローン返済を進めていると、ライフスタイルの変化により、一括返済を利用する機会が発生する可能性もあります。
例えば、引越し、両親からの相続、物件売却等さまざまです。
状況によっては借入当初から、早期に返済する事を視野に入れているケースもあるかもしれません。
ローンを一括返済する場合、返済時点で残っている元金を返済します。
ローン契約から5年後に一括返済した場合の支払額を事例で見てみましょう。
< 借入金額:5,000万円 金利:0.5% 借入期間:35年 >
※返済開始から丁度5年(60カ月)後に一括返済
① 5年間の総支払額:毎月支払額129,793円×60カ月(5年分)=7,787,580円
② 5年後に残っている元金:43,381,430円
③ 総支払額(①+②):51,169,010円
④ 総支払利息:1,169,010円
実際に返済をする場合には、②の元金部分、一括返済手数料、抵当権抹消費用等が掛かります。
一括返済をした場合のメリット・デメリットをまとめました。
<メリット> ①残り期間中の利息を払わなくて済む
一括返済をすると、残り期間中の利息を払わず済むのが一番の魅力です。
【2】で使用した例で比較
(借入金額:5,000万円 金利:0.5% 借入期間:35年)
※上記表では金利変動が無い事を前提としております。
<メリット> ②次のローンを組める可能性が高まる
新たなお借入れを検討されている場合、ローン審査が有利になります。
お住替えや2件目住宅等、選択肢が色々と増えそうですね。
住替えローンについては、住み替えの際の住宅ローンをご参考下さい。
<デメリット>③現預金が減少する
現預金が一度になくなる為、不測の事態に対応しづらくなるかもしれません。
また、ローン返済により運用出来る資金が少なくなるという側面もあります。
<デメリット>④団信保障やローン控除対象外となる
完済後はローン控除適用対象外となる為、当初予定の税優遇が受けられません。
※ローン控除は適用要件等が契約時期によって異なりますので、ご留意ください。
詳細については、住宅ローン控除の延長・改正についてをご確認下さい。
さて、ここまで一括返済について話を進めてきましたが、一括返済利用に適したローン契約はあるのでしょうか?
借入金額を同額に揃えて比較してみました。
(※1)保証料は100万円あたり20,611円にて試算
(※2)保証料返戻金は概算
<銀行毎の特徴>
A銀行…金利0.5%、融資手数料は借入金額の2.2%
B銀行…金利は相対的に高めの0.6%、融資手数料が一律242,000円と低い
C銀行…金利0.3%と最も低い、融資手数料は借入金額の2.2%
D銀行…金利は相対的に高めの0.6%、保証料型利用につき返戻金有り
※融資手数料は返戻金無し
<まとめ>
5年後に一括返済した場合を比較した結果、総支払額が安いのは以下の順番でした。
B銀行>C銀行>D銀行>A銀行
総支払額が抑えられるポイントは、初期費用の低さにあるようです。
B銀行は融資手数料が低い為、金利が最も低いC銀行より安くなりました。
一方、D銀行は保証料型の返戻金がありますが返戻率が低い為、金利の良いC銀行より高くなりました。
いかがでしたでしょうか。
ローンコンシェルジュでは、上記のような比較表やシミュレーションの作成も承ります。
住宅ローンの商品は多種多様です。
金融機関毎の商品を正確に比較しようとすると、時間も労力も掛かります。
気になる金融機関の住宅ローンを比較してみたい等のご要望・ご相談がございましたら、是非ポラスのローンコンシュルジュまでお問い合わせください。