日本銀行の利下げ終了に伴い、いわゆる「金利のある世界」への移行が進むなか、住宅ローンの検討においても「将来の金利上昇にどう備えるべきか」を慎重に考える方が増えています。
こうしたなか、6月1日より、全期間固定金利である「フラット35」の基準金利(※最低金利)が年3.210%に引き上げられ、制度改正があった2017年10月以降で初めて3%を超えました。固定金利の安心感は魅力的である一方、毎月の返済負担をできる限り抑えたいという思いから、ローン選びに迷われる方も少なくありません。
メディアや専門家の間でも「これからは安心な固定金利にするべき」という慎重論を耳にする機会も増えましたが、ポラスにおける最新の提携ローン申込傾向からは、また異なる動きが見えてきます。今回は、最新の金利状況を踏まえた「フラット35」と「民間変動金利」の特徴、そして今注目されている住宅ローンの選択傾向について解説します。
まずは、全期間固定金利である「フラット35」と、初期の返済負担を抑えやすい「民間金融機関の変動金利」における、主な違いをおさらいしておきましょう。
<金利の仕組み>
フラット35:完済まで一律の金利が適用されます。
民間変動金利:多くの金融機関で、半年ごとに金利が見直されます。
<団体信用生命保険(団信)の加入>
フラット35:加入は任意のため、健康状態に不安がある方でも借入を検討できます。
民間変動金利:加入は原則必須です。金利上乗せなしで「がん保障」等が付帯するなど、金融機関によってさまざまな保障内容が用意されています。
フラット35の金利引き上げにともない、変動金利との金利差(借入当初の毎月の返済額の差)が開いている現在、それぞれの特徴を正しく理解することが大切です。
金利上昇リスクに対する意識が高まり、固定金利への関心や問い合わせが増えている一方で、ポラスの実際の申込傾向を見ると、最初からフラット35を選択される方は依然として限定的な水準にとどまっています。
これは、将来の金利上昇への不安を抱えつつも、まずは「日々の家計に直結する初期の返済負担をどう抑えるか」という現実的な課題に直面しているためです。
フラット35の金利が3%台に達したことで、スタート時の毎月の返済負担の差を考慮し、今後の金利動向を慎重に注視して「様子見」を続けながらも、初期金利が相対的に低く抑えられている「変動金利」を軸に置いて比較・模索される方が、実際の資金計画の現場では主流となっています。

さらに、変動金利を選ぶ方の間で、借入先(金融機関)の選び方にも変化が起きています。
これまでは金利の低さを優先してネット銀行を検討する方が多い傾向にありましたが、現在は、それぞれのライフスタイルや手続きの好みに合わせて、都市銀行や地方銀行などの「民間提携金融機関」も並列で広く検討されるようになっています。
この背景には、市場環境の変化や、手続き面における各金融機関の利便性の向上が大きく関係しています。
金利・サービス全体の変化
市場金利の上昇や各行の金利見直しの動きは、ネット銀行を含むすべての民間金融機関に共通する変化です。金利の数字だけでなく、ご自身にとっての使いやすさや保障内容、手続きの方法まで含めて総合的に比較される方が増えています。
都市銀・地銀でも一般化した「WEB金消(オンライン契約)」
かつては「契約手続きがスマートフォンやPCで完結する手軽さ」がネット銀行独自の強みでした。しかし現在では、多くの都市銀行や地方銀行でも「WEB金消(ウェブ住宅ローン契約手続き)」が導入され、自宅にいながらにしてWeb完結での契約手続きや電子署名が可能になっています。
「Web完結の利便性」と「対面での相談体制」の自由な選択 手続きの手軽さにおいて各金融機関の選択肢が広がった結果、ご自身が求めるサポート体制が次の判断基準となっています。 オンラインの手続きのみで効率的に進めたい方はネット銀行を、金利が動く難しい局面だからこそ「WEB金消の利便性を活用しつつ、いざという時は窓口でプロに直接アドバイスをもらいたい」という方は都市銀・地銀を選ぶなど、より柔軟な選び方が可能になっています。
金融機関ごとに異なる「金利引き下げ」のアプローチ
優遇金利を引き出す仕組みも、金融機関によって特徴が分かれます。
ネット銀行:主に「携帯電話や電気、インターネット回線、テレビなどの提携インフラサービスをグループにまとめること」で金利が優遇される仕組みが主流です。
都市銀・地銀:主に「その銀行の普通預金口座を保有する」「給与受取や公共料金の引き落とし口座に指定する」といった、日常の「お金を管理する生活口座」と連動することで金利が優遇されるプログラムが広く展開されています。
ご自身の生活の中で、どの優遇条件(通信・インフラのセットか、生活口座の指定か)が最も無理なく適用しやすいかを見極めることが、トータルの返済負担を低く抑えるための鍵となります。
「スタート時点の返済負担を抑えられる低金利」と「将来にわたって金利が変わらない安心感」のどちらを重視するかは、ご家族の年齢、年収、これからのライフプランによって全く異なります。誰かにとっての正解が、ご自身にとっての正解とは限りません。ポラスのローンコンシェルジュが、お客様にとって最適な選択をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
