憧れの注文住宅。間取りやデザインを自由に決められる魅力がある一方で、そのプロセスには独特の資金計画が伴います。特に、工事の途中で発生する「中間金」の支払いについて、疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
マンションや建売住宅の購入とは異なり、注文住宅では通常、契約時、着工時、上棟時(中間時)、そして完成・引渡し時といった具合に、工事の進捗に合わせて複数回に分けて建築代金を支払います。このうち、上棟時などに支払うのが「中間金」です。
この記事では、注文住宅建築の際の住宅ローンを中間金支払いにどのように充てることができるのか、利用できるローンの種類や注意点などを分かりやすく解説します。資金計画への理解を深め、安心して理想の家づくりを進めるための一助となれば幸いです。
それでは、具体的に注文住宅の建築資金を住宅ローンで賄う場合、どのような融資実行の方法があるのでしょうか。
主に、① 建物完成時一括実行、② 土地先行実行+建物実行、③ 分割実行の3つのパターンが考えられます。それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
① 建物完成時一括実行
建物が完成し、引き渡しを受けるタイミングで、住宅ローンの融資全額を一括で受け取る方法です。
【メリット】
・融資の手続き(契約)が1回で済むため、手間が比較的少ないです。
【デメリット】
・融資実行は建物完成時となるため、それまでに必要となる土地の購入代金(土地から購入する場合)や、着工金、建築中間金(これらを合わせると数千万円規模になることも多いです)を、すべて自己資金等で一時的に立て替える必要があります。
・自己資金で立て替えられない場合は、「つなぎ融資」を利用することになります。つなぎ融資は、住宅ローンが実行されるまでの間、一時的に資金を借り入れる仕組みですが、住宅ローン本体とは別に、比較的高めの金利(年利2%〜4%程度が目安)が発生します。
また、つなぎ融資は利用可能額や資金使途に制限がある場合もあり、諸費用など一部の費用は別途自己資金で用意する必要が出てくる可能性もあります。
② 土地先行実行+建物実行
土地の購入代金と建物の建築代金を、別々のタイミングで融資実行する方法です。まず土地購入時に土地代金の融資を受け、その後、建物が完成したタイミングで建築代金の融資を受けます。
【メリット】
・土地購入代金を先行して融資で賄えるため、①の方法に比べて当初の自己資金負担を大幅に軽減でき、資金計画が立てやすくなります。
【デメリット】
・融資が土地と建物の2回(つまり2契約)となるため、契約ごとの登記費用や融資手数料などがそれぞれ発生し、総額としては①や③の方法より割高になる場合があります。
・建物の建築代金は完成時に一括実行されるため、建築途中の中間金等の支払いは、自己資金または別途つなぎ融資等で対応する必要があります。
つなぎ融資を利用する場合は、①と同様に別途金利が発生します。
③ 分割実行
1つの住宅ローン契約に基づき、資金が必要となるタイミング(例:①土地購入時、②建築中間金支払時、③建物完成時)に合わせて、複数回に分けて融資を実行する方法です(金融機関により異なりますが、通常3回程度に分けて実行されます)。
【メリット】
・ローン契約は基本的に1本のため、登記費用や融資手数料は原則1回分で済み、②の方法より諸費用を抑えられます(※分割実行の回数に応じた手数料が別途かかる金融機関もあります)。
・土地代金や中間金など、必要な時期に必要な額の融資を受けられるため、自己資金からの大きな持ち出しや、高金利なつなぎ融資を利用する必要がなく、資金計画が最も立てやすい方法と言えます。
【デメリット】
・この分割実行に対応している金融機関が限られます。すべての金融機関で利用できるわけではないため、事前に確認が必要です。
上記①~③を比較しますと、③の分割実行は、自己資金の負担を抑えつつ、つなぎ融資の金利負担や②の方法でかかる余分な諸費用も回避できる可能性があるため、多くの方にとってメリットの大きい方法と言えるでしょう。
ただし、利用できる金融機関が限られる点や、金融機関によっては分割実行手数料がかかる場合もあるため、ご自身の状況や取引したい金融機関の条件をよく確認することが重要です。
余談ですが、ポラスの提携住宅ローンでは、通常は③の分割実行を行わない金融機関でも利用できる場合がございます。
また、つなぎ融資についても提携会社をご紹介させていただいております。ポラスグループで住宅を購入される際は、ぜひ提携住宅ローンをご検討ください。
今回は、注文住宅を建てる際に必要となる中間金の支払いと、住宅ローンの活用方法について、主に3つの融資実行パターンを解説しました。
中間金は、工事をスムーズに進めるために重要な支払いですが、まとまった金額が必要となるため、多くの場合、自己資金だけで賄うのは難しいかもしれません。そこで活用されるのが住宅ローンですが、一般的な「建物完成時一括実行」ではつなぎ融資が必要になったり、多額の自己資金を一時的に用意する必要が出てきます。
「土地先行実行+建物実行」や「分割実行」といった方法を検討することで、自己資金の負担を軽減し、よりスムーズな資金計画を立てることが可能になります。それぞれの方法にメリット・デメリット、手数料や金利の違いがあるため、ご自身の状況や建築スケジュールや金融機関の提供する条件などをよく比較検討し、最適な方法を選択することが大切です。
ポラスグループでは住宅をご案内する営業のほかに、住宅ローンのご相談に対応する「ローンコンシェルジュ」を設置しております。住宅のご案内だけではなく、住宅ローンについてもしっかりとご案内させていただきます。
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