ローン相談

不動産の相続登記は速やかに進めよう!

その他

公開日

2024.8.3

更新日

2024.8.9

少し前までは、親などから不動産を相続した時に行う相続登記は、義務化されていませんでした。その為、相続登記が適正になされていない不動産が散見され、所有者不明の土地や建物が発生してしまい、老朽化が進み、倒壊の恐れがあるような空き家が放置されてしまうという所謂空き家問題の原因の一つとなっておりました。

相続登記が適正に行われない理由の一つは、登記をしなくても困らないからです。その不動産を売却したり、借入金のための抵当権設定を行う場合は、相続登記が必ず必要となりますが、ただ使用を続けるだけであれば、あえて相続登記をしなくても困ることは少ないのです。また、相続登記するのに、それなりの登記費用が掛かることも理由の一つになります。

 

 

このような状況を改善する為に、国は、2024年4月1日から、相続登記の申請を義務化しました。

具体的には、

①相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。

②遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければならない。

①②のいずれについても、正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となる。

という内容になります。

 

3年の期限がありますので、急ぐ必要は無いかも知れませんが、登記費用を払った上に罰金も取られるのは痛し痒しですので、相続が発生した際には、速やかに司法書士に相談して、相続登記を進めた方が良いでしょう。

 

 

不動産を相続すると言っても、自分で利用が出来たり、売却や賃貸が出来たりすれば良いのですが、現在住んでいる場所から、とても遠くて管理や売却が出来ないような不動産を相続した場合は、「相続土地国庫帰属制度」という、土地を相続した者がその土地を手放して国に引き渡すことを可能とする制度が2023年4月27日から開始されています。

相談・申請窓口は該当の土地が所在する法務局・地方法務局(本局)になります。費用としては、審査手数料や国の引き取りが承認された後に払う負担金(10年分の土地管理費相当額)等があります。

 

国が引き取ることができない土地の要件としては、以下になります。

〇申請することができないケース

 ・建物がある土地

 ・担保権や使用収益権が設定されている土地

 ・他人の利用が予定されている土地

 ・土壌汚染されている土地

 ・境界が明らかでない土地、所有権の存否や範囲について争いがある土地  等々

 

〇承認を受けることが出来ないケース

 ・一定の勾配や高さの崖があって、管理に過分な費用や労力がかかる土地

 ・土地の管理や処分を阻害する有体物が地上にある土地

 ・土地の管理や処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地

 ・隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理や処分ができない土地

 ・その他、通常の管理や処分に当たって過分な費用や労力がかかる土地  等々

 

いろいろな条件があるので、国が引き取りを承認してくれるのは、かなりハードルが高いし、申請するのに手間が相当かかるのと、審査にも相当時間がかかるようですが、相続しても利用しない土地を相続することがあれば、チャレンジしてみても良いかも知れません。

一覧を見る
どんなお悩みも
お気軽にご相談ください。
専門的な知識をもとに、お客様に
最適な住宅ローンをご提案します。
住宅ローンのご相談