子供も独立したので、生活至便でコンパクトな住宅に住み替えたい、使い勝手がよいようにリフォームしたい…シニア層の方が年金生活を送りながら、住宅の購入やリフォームなどを検討する際、気になるのはその資金計画です。
通常の住宅ローンを組むには、借入時の年齢や健康状態、十分な収入があることが必要ですが、今回は、シニア層向けの住宅ローンとして、自宅を担保に資金を借りる「リバースモーゲージ型住宅ローン」をご紹介します。
■ リバースモーゲージ型住宅ローンとは?
「リバースモーゲージ型住宅ローン」は、既に所有している自宅等を担保に金融機関から融資を受けるものです。
月々の返済が、利息分のみでよいことがメリットのひとつで、元利金は、契約者が亡くなった際(*)に、自宅売却もしくは、一括返済によって返済します(生前の繰上返済も可能です)。
(*)夫婦のうち、主契約者が亡くなっても、配偶者が契約を引き継いだり、連帯保証人になっていれば、 住み続けられる商品もあります。
■ 種類
金融機関によって商品もさまざまですが、大きく用途と、返済が相続人に継承されるかどうかに分けられます。
1)用途
事業資金、投資用資金以外であれば、用途問わず自由に使える商品と、住宅の購入、リフォーム、サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金など、住宅に限った商品があります。
2)リコース型/ノンリコース型
契約者が亡くなった際、相続人に元利金の返済が継承される「リコース型」と、相続人に継承されない「ノンリコース型」があります。
■注意したいこと
1)自宅の担保価値や年収などによって、融資額が決まる
一戸建ての土地が担保対象になることが多く、マンションは対象外の商品や、地価によって担保価値が変動するタイプの商品もあります。
また、年収も審査対象となるため、融資を受けられない場合もあります。
2)利息は「変動金利」が主流
利息は、変動金利(現在、年3%程度)が主流で、半年に一度金利の見直しが行われます。
5年ルールのある通常の住宅ローンと違い、金利上昇に連動して返済額もすぐに上昇するため注意が必要です。
このほか、申込年齢、取扱いエリア、法定相続人となる方の理解(契約時、全員の承諾が必要な商品もあります)、認知症などで要介護になり、自宅に住めなくなった場合どうするかなど、よく検討する必要があります。
いずれにしても個別性の高い商品になるため、金融機関に直接ご相談いただくことをおすすめします。