ローン相談

マイホームを売却したときの特例制度

税制 その他

公開日

2022.8.27

更新日

2023.5.10

住宅に関わる税制優遇というと、住宅ローン控除や直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の特例など、マイホームを買った場合の制度が有名ですが、マイホームを売った場合にも様々な特例が設けられています。

 

住替えで住宅購入を検討される方も多いので、マイホームを売った場合の税制特例について簡単にご紹介します。

 

 

まず原則として不動産を売却して利益が出た場合には、その利益は譲渡所得に該当するため給与所得などとは分離して申告し、所得税を納めなければなりません。

家屋の所有期間によって税率は異なりますが、例えば所有期間が5年以下の短期譲渡所得に該当する場合に最も高い税率となり、この場合発生した利益に対して39%(所得税30%、住民税9%)の税金がかかります。

 

マイホームの売却に伴うこのような税負担を軽減するため、所有期間に関わらず発生した利益から3,000万円を控除してよいという特例が設けられています。

 

またマイホームを売却して損失が発生した場合には、結果として納める所得税の負担が小さくなるように他の所得との損益通算、及び年を跨いだ繰越控除が可能になる特例もあります。

このようなマイホームの売却に関する特例は主に4つ設けられていて、下記図のようなフローチャートとなります。

 

 

 

 

※詳細は各特例の国税庁HPをご確認ください。

A.No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁 (nta.go.jp)

B.No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁 (nta.go.jp)

C.No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁 (nta.go.jp)

D.No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)|国税庁 (nta.go.jp)

 

 

A.居住用財産の3000万円特別控除 

ここでは「居住用財産の3000万円特別控除」について簡単にご紹介いたします。

 

【譲渡所得の計算】

 

売却価格ー取得費ー売却費用ー特別控除(3000万円)=課税譲渡所得

 

取得費は購入した際の売買代金に加えて、購入に関連して支払った登録免許税やリフォーム費用、仲介手数料や住宅ローンの利息などを含めることができます。

譲渡費用は売却した際に支払った仲介手数料や印紙税などが該当します。

上の式からもわかる通り、売却利益が特別控除の3000万円を超えなければ実質税金はかからないという事になります。

 

 

【3000万円特別控除の要件】

 

①居住用財産の売却であること

(現に自分が住んでいる、または住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡したもの)

②売却した相手が、親子や夫婦など特別な間柄ではないこと。

③売却した年の前年及び前々年に、この特例を含む上記A~Dのような特例の適用を受けていないこと。

④売却した家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。

⑤災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。

⑥家屋を取り壊した場合は、次の二つの要件にすべて当てはまること。

イ その敷地の売買契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。

ロ 家屋を取り壊してから売買契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと

 

※本特例と住宅ローン控除との併用はできません。

 

 

今回はマイホームを売却した際の特例を簡単にご紹介させていただきました。

詳細は複雑ですから、マイホームを売却したときに利益が出ても、損が出ても利用できる税制優遇制度がある、と知っておくだけで十分だと思います。

 

なお個々人が3000万円特別控除と住宅ローン控除のどちらを利用すべきか、あるいは買換えの場合に3000万円特別控除と居住用財産の買換特例のどちらを利用すべきかといった具体的な税額に係るご相談は、税理士などの専門家にお問い合わせいただく事をおすすめいたします。

一覧を見る
どんなお悩みも
お気軽にご相談ください。
専門的な知識をもとに、お客様に
最適な住宅ローンをご提案します。
住宅ローンのご相談