ローン相談

リバースモーゲージ型住宅ローンとリスク

住宅ローン全般 ローン商品

公開日

2023.3.31

更新日

2023.5.10

人生100年時代と言われる昨今、60歳を過ぎ退職した後に住み替えや建替えを検討される方は大勢いらっしゃると思います。

退職金は老後の資金として残しておきたいから、住宅に充てる資金を住宅ローンで補いたいという場合に「リバースモーゲージ型住宅ローン」の利用が考えられます。(50歳から申込可能です。)

 

 

 〇リバースモーゲージとは? 

 

 

所有する自宅を担保として金融機関からお金を借り、毎月利息分だけを支払い、元金は契約者が亡くなった際に自宅を売却して一括返済するという仕組みの商品です。

 

リバースモーゲージと同じような仕組みが古くから存在した国もあるそうですが、日本では1981年に東京都武蔵野市が福祉政策の一環として取り入れたのが初めてになります。

 

現在では取り扱う金融機関が増え、資金使途を問わない従来のリバースモーゲージと、資金使途を建替えや住み替え、借り換えやリフォームといった住宅に関係する用途に限ったリバースモーゲージ型住宅ローンの2種類があります。リバースモーゲージ型住宅ローンも当然リバースモーゲージの一種ですが、あえて別物だと考えると理解しやすいと思います。

 

なお各金融機関のリバースモーゲージ型住宅ローンにおいては、その多くが住宅金融支援機構が提供する住宅融資保険「リ・バース60」を活用した商品となっています。このコラムでは「リ・バース60」を利用したリバースモーゲージ型住宅ローンについて記載しています。

 

 

 〇リバースモーゲージとリバースモーゲージ型住宅ローンのリスク比較 

 

 

リバースモーゲージについてインターネットで調べると、メリットと共に様々なデメリット、リスクも出てくるのですが、一般的なリバースモーゲージが抱えるリスク=リバースモーゲージ型住宅ローンが抱えるリスクとは限らないという事を理解しておく必要があります。

一般的に言われるリバースモーゲージのリスクについて、リバースモーゲージ型住宅ローンではどうなのかを見てみましょう。

 

 

①長生きリスク

 

リバースモーゲージは終身契約が一般的ですが、中には契約期間を定める場合もあり、その場合はその期間を超えて契約者が長生きした場合に一括返済を迫られるというリスクです。

 

⇒「リ・バース60」を利用したリバースモーゲージ型住宅ローンは終身契約のみのため、このリスクには該当しません。ただし、素晴らしく長生きすると利息を長い間払い続けることにはなります。

 

 

②不動産の担保価値が下がると返済を迫られる?

 

リバースモーゲージでは貸し手にとって担保となる不動産の価値が非常に重要です。定期的に担保価値を見直すような契約内容のリバースモーゲージの場合は、このリスクは避けられません。

 

⇒リバースモーゲージ型住宅ローンを取り扱う金融機関では、担保評価は契約時の1回しか行わないと明記されている場合があります。(三井住友銀行、みずほ銀行など)そのように明記されていれば、このリスクには該当しません。「リ・バース60」が金融機関にとっての保険として機能するためこのような仕組みが可能となっています。

 

 

③相続人が債務を引き継ぐことになる?

 

⇒「リ・バース60」では相続人に債務を引き継ぐ「リコース型」と引き継がない「ノンリコース型」があり、「ノンリコース型」であればこのリスクには該当しません。住宅金融支援機構によれば約99%の方がノンリコース型を選択されているようです。

 

 

④金利上昇リスク

 

変動金利のみとする金融機関が多いため、こちらはリバースモーゲージ型住宅ローンでも該当します。

契約期間中に支払う利息が増加する可能性があります。

 

 

 

リバースモーゲージのリスクとして語られることが多い①②③については、このようにリバースモーゲージ型住宅ローンでは概ね解消されています。

次にリバースモーゲージ型住宅ローン(「リ・バース60」)の利用状況を簡単にご紹介します。

 

 

 

 〇リ・バース60の利用状況 

 

 

住宅金融支援機構のホームページを見ると、制度がスタートした2013年から2016年までは付保申請戸数はあまり伸びていませんが、2017年からその数を急激に伸ばしています。これは2017年からノンリコース型が導入されたためと考えられます。

 

<<【リ・バース60】の付保申請戸数棟等の推移(2022年12月末現在)>>

引用元:住宅金融支援機構HP「【リ・バース60】の利用実績等について(2022年10月~12月分)

 

住宅金融支援機構の発表によれば、2022年10月~12月の申込者の平均年齢は70歳、職業は年金受給者が最も多く53.6%、資金使途は注文住宅(建て替え等)が最多で27.8%、などとなっています。

 

〇まとめ

 

1980年代から日本に存在したリバースモーゲージですが、様々なリスクがあるため近年まではあまり認知された存在ではありませんでした。

しかし「リ・バース60」の登場によってリバースモーゲージが抱えるリスクをいくつか取り除く事ができたため、リバースモーゲージ型住宅ローンは従来のリバースモーゲージと比べるとかなり使いやすい商品に進化してきた印象です。

特にノンリコース型の登場以降利用者が急激に増加していて、徐々に一般に認知される商品になってきたように思います。

 

ただし、相続人に家を残すことができない、不動産の担保評価の50%や60%までなどの融資上限が設けられている、一般的な住宅ローンと比べるとどうしても金利が高くなる・・・といったリバースモーゲージ特有のデメリットはあります。

商品内容をよく理解した上で利用を検討することが大切です。

 

 

ポラスでは建替え、リフォーム、お住替え、なんでも承ります。リバースモーゲージ型住宅ローンを検討している、という方のご相談もお待ちしております。

 

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