一般流通材を利用した、
木造大スパン物流倉庫のモデルプラン

南の台木造倉庫

ポラテック株式会社、
株式会社ポラス暮し科学研究所

プロデューサー:小網 敏裕
ディレクター:ポラテック株式会社 佐藤 雅史、株式会社ポラス暮し科学研究所 照井 清貴
デザイナー:ポラテック株式会社 佐藤 雅史、 小沢 直之

一般流通材を利用した
木造大スパン物流倉庫のモデルプラン

概要

一般流通材を利用した木造大スパン物流倉庫のモデルプランの提案です。大スパンを木材だけで実現しようとすると、施工手間増加や材料コストアップにつながることがあります。そこで、オリジナル金物と合わせた木製トラスを採用することで、作業効率の向上と軽量化、木の風合いを活かした美しい空間を形にしました。

一般流通材を利用した木造大スパン物流倉庫

特徴
建築物の木造化によるSDGsへの貢献
金物と組み合わせた木製トラスを採用
組み立て式平行弦木製トラスにより工場内での組み立てが可能に
軸組み3Dパース
5つのメリット
①木材では施工手間となる斜材を施工誤差も少ない金物取付で簡単施工
②トラスの半分を工場で事前組み立てが可能
③トラスを半分のサイズで搬入するため、大型トラックを必要としない
④住宅用プレカット加工機を用いて加工が可能(手加工無し)
⑤手加工や無駄な施工手間がないため、製作時間を短縮(工期短縮につながる)
SDGsへの貢献
建築物の木造化は地球温暖化防止と、森林保護の観点からSDGsに大きく寄与すると考えられている。CO2の全排出量のうち約3分の1が建築関連と言われているが、木材は大気中のCO2を固定し建築物の解体後も再利用可能である。住宅着工件数が下がりつつある中、今後伸びるとされている分野は非住宅建築物と言われており、中でも高層の非住宅木造建築物として脚光を浴びている倉庫に注目した。倉庫建築において木造は全体の1.8%、鉄骨造は73.3%と大きく差が出ている。本事業では鉄骨造で建てるような10mを超えるスバンの物流倉庫を、一般流通材を活用し、かつ住宅用プレカット加工機で加工できる範囲で構造計画を実施。大規模木造物流倉庫の建築を実現した。
審査員評価
木製トラスを一般流通材で作り、それを金物と合わせることで、物流倉庫など大スパンの建築を実現する計画が素晴らしい。物流倉庫の施工に際して、金物と一般流通材を組み合わせることで、住宅用プレカット加工機だけで行える簡便なフローのデザインと、手加工を無くし、工場で組み立てられ、搬入時にも大型トラックを使わず、また現場加工などを減らした効率化のデザインで、12メートルもの大スパンを合理的に実現していることを評価したい。