擁壁の立体緑化と交流を生む
「ガーデンテラス」のある街

育実(はぐくみ)の丘大宮

ポラスマイホームプラザ株式会社

プロデューサー:森田 昌久
ディレクター:高橋 健太郎
デザイナー:ポラスマイホームプラザ株式会社 高橋 健太郎、中村 泰孝、石川 睦人、阿部 真由子、土屋 亮太
ポラテック株式会社 中澤 毅、太田 敦也

ガーデンテラスという中間領域の創出

概要

高さ2mを超える擁壁が計画された分譲地です。擁壁の圧迫感と上下で住人のつながりが分断される課題に対し、中間領域にテラスを設けて、街並みの開放性向上、立体的な緑化計画、コミュニティ形成を提案します。「ガーデンテラス」は無機質な擁壁面を緑化し、住人が寛ぎ挨拶を交わす場となり、街並みに緑と人を有機的なつながりを持たせる空間となりました。

道路を歩く隣人とガーデンテラスで寛ぐ住人が、気軽に挨拶を交わしたり、隣人を誘ってコーヒーを飲みながらお喋りしたりと、ガーデンテラスが豊かな触れ合いの風景を描き出しました。テラスは仕切りがなく、住人同士がつながりを持ちやすい空間となっています。収穫体験や食育につながる家庭菜園や子どもたちが目の届く家の前で遊べるようベンチを設ける等、誰もが集まりやすいように計画しました。

ベンチを設けたテラスに住民が集まりやすくなり、目の届く家の前で遊べる環境を生み出す

特徴
ガーデンテラスでつながる”触れ合いのコミュニティ”
隣同士で仕切りのない空間が子どもたちの行き来を促す
室内は陽当たりがよく、
明るく高台からの眺望が良いリビング空間が広がる
ガーデンテラスがあることで圧迫感を感じることなく、
空を広く、近く感じる
デザインが生まれた理由/背景
道路と敷地の高低差があり高さ2mを超える擁壁の設置が検討された分譲地である。擁壁が道路の際まで計画されていたため垂直面の圧迫感があるのと緑化のための空地がなく無機質な街並みになる懸念があった。また宅地と道路の高さの違いから道行く人と住まう人の上下の分断が生まれてしまい、住人同士が交流する場の設定が必要であると感じた。この課題に対し、中間領域にテラスを設けて、街並みの開放性向上、立体的な緑化計画、コミュニティ形成を提案する。まずは擁壁のセットバックと中間高さにテラスを設けることで、道路からみえる擁壁の圧迫感を抑制し空を感じる面積を増やすこととした。テラスは住人がくつろぐスペースとし街中に人の集いや交流を促す場とした。住人同士が挨拶を交わす目線高さのテラスを道路側に設けることで人々の交流が生まれる。道路、テラス、宅盤の3段階で緑地を設けて立体的に緑を感じる街並みを計画する。
デザインを実現した経緯
ガーデンテラスは住人同士の交流が生まれるよう、隣り合う住戸毎にテラスをつなげ、境界はフェンス等の仕切りは入れず、住民や子どもたちが行き来しやすい形状とした。テラスが街を見守る目となるようベンチを設け、住人がそこでくつろぎ留まるようにした。テラスの緑地には子どもの食育や住民の交流のきっかけとなるように収穫体験ができる実のなる木を植え、家庭菜園スペースを設けた。アプローチ途中の中間領域にあるテラスを緑化することで立体的に緑化面積を増やすことができた。
ガーデンテラスが生み出すふれあいの風景
テラスからの眺望の良さや思ったよりも圧迫感を感じないといった声、段階的な緑が綺麗な街並みが良いという声をいただいている。ガーデンテラスがあることで圧迫感を感じることなく空を広く、近くに感じることができる。街並みには奥行き感があり、人々の行き交うときの交流を生み、つながりの場となった。立体的な樹々の緑が無機質な擁壁を感じさせない彩りを街並みに与えている。
審査員評価
住人同士の交流空間を、立体的につくり出したことが秀逸である。高さ2mを超える擁壁が必要であるという、通常であれば人と人とを分断してしまう条件を逆手に取り、住戸の前面に壇状の空間が設計された。これにより、中間域の「ガーデンテラス」でくつろぐ人と通行する人との間に関係性がつくられ、しかも目線の高さの違いが、適切な距離感を生んでいる。複数の高さにおける緑化が、街路視点からの緑被率も高める。分譲地開発において、立体方向のデザインに踏み出した意義は大きい。