ポラスの分譲住宅

再資源化に取り組む共同プロジェクト

石膏ボードの産廃排出抑制とリサイクル化への取り組み

ポラス株式会社購買部、株式会社住宅資材センター

プロデューサー:株式会社住宅資材センター 廣田光伸 ポラス株式会社 細野泰弘
ディレクター:株式会社住宅資材センター 荒川昇 ポラス株式会社 小林久人
デザイナー:株式会社住宅資材センター 原島和広、吉原康太 ポラス株式会社 小林久人、上田亮

吉野石膏株式会社と共同受賞

住宅メーカーと石膏ボードメーカーによる
環境保全の取り組み

概要

火力発電削減の流れで、副産物である化学石膏の減少が世界的に見込まれており、石膏ボード原料の安定的な調達体制づくりは喫緊の課題ともなっている。一方、住宅建設時の石膏ボードは15%以上が廃材となっており、回収効率も悪く、建設会社主導でリサイクル化に踏切る会社は多くはなかった。

そこで、メーカーの吉野石膏と共同で、ポラスの階高や使用箇所に合わせた10種類のジャストサイズ品、窓廻りカットボードなどを設定し、現場での余材を減らす活動を行い、それでも余る廃石膏ボードは、住宅資材センターのミライクル(中間処理施設)を活用し、集めた廃石膏ボードをメーカーの製造工場に運び込み、再製品化する仕組みを構築した。

特徴

コンセプト住宅現場から排出される廃石膏ボードのリサイクルによる再資源化

  • 一方で…石膏ボードが抱えてる問題点 石膏ボード原料は脱炭素社会の実現に向けた石炭火力削減の流れで、 副産物である化学石膏の減少が世界的に見込まれています。 これに伴い石膏ボード原料の安定的な調達体制づくりは喫緊の課題ともなっています。 また2006年に安定型埋め立て処分場での処理が禁止され、管理型埋め立て処分場での処理が義務化。その処理にあたる処分場の不足と高額な処理費用が課題となっています。
  • 解決策1 余りをなるべく出さない 石膏ボードの標準寸法は3尺×8尺等尺単位でのサイズ設定となっており、各現場で使用する大きさにカットしていました。これにより新築住宅建設時約15%の石膏ボードが廃材となっています。 ボラスでは特殊な階高や使用箇所に合わせた10種類のジャストサイズ製造品・窓周りカットボードなどを独自に設定し現場へ納品。これにより現場での余材を減らすことに成功。加えて大工造作工事の生産性も向上させました。
  • 解決策2 廃石膏ボードを回収・再資源 1箇所の住宅建築現場から出る廃石膏ボードの量は少なく、コストなどの理由で回収・再資源化は難しいとされていましたが、今回住宅メーカー内に、回収・運搬・分別を担う収集運搬及び中間処理施設を設置し、各住宅建築現場から発生する廃石膏ボードを回収し、石膏ボード製造工場へ戻すことで、 効率の良い回収・再資源化が可能となりリサイクルへとつながりました。
審査員評価
石膏ボードのメーカーと、そのユーザーである住宅メーカーによるボードの回収と再資源化に取り組む共同プロジェクト。会社の枠組みを超えて資源循環のプロセスを構築していることが生み出す、社会的インパクトは大きい。石膏ボードの 一年間の使用量もかなりの数なので、この取り組みが持つ価値は日本の建設業界における資源循環を広げる好例になると考える。今後の継続とさらなる規模の拡大に期待したい。