ポラスの分譲住宅

社会問題の解決を建築で目指した

Sumi-Ka⁺

株式会社中央住宅

不動産ソリューション 不動産開発部 村田嵩胤

3家族同士がお互いの価値観を尊重し、
共に人生を分かち合えるコミュニティを創造

概要

分譲住宅の既成概念にとらわれず、現代が抱える社会問題の解決を建築で目指した意欲的な作品。舞台は千葉県松戸市の3棟の分譲住宅。
通常の分譲住宅と異なる点は、3棟に住む家族構成を①親との同居も考えている家族、②共働き子育て家族、③夫婦2人だけの家族と想定し、同世代の子育て前提の家族だけが住む街としていないところ。ライフスタイルの違う3家族が、共に人生を分かち合えるコミュニティを目指した。

街の中央には境界を越えた広場を設置。土地利用協定を結ぶことで、この広場やエントランスゲート、お互いのデッドスペースを有効活用できるように計画し、境界という枠を超えて、余白が楽しめる間の美学を追求した創りとなっている。

こだわりぬいた上質な空間で豊かに暮らす

特徴

コンセプト現代の家族を見つめ、日本の文化を継承する街 - 新故郷 -

家族と一緒に野菜を育てる姿が自然に感じる暮らし
建築の「余白」の空間と、日本の美学「間」を取り入れたコミュニティデザイン
「日本の古き良き文化」を現代に置き換えた街づくり
3家族の交流が自然と深まる中央広場
【配棟計画】
3家族が利用できるエントランスゲートや中央広場は住民同士が気軽に挨拶を交わしたり交流を育める空間となっている。同時にそこが陽だまり空間となることで各邸にやさしい陽光を導くことができるようにした。また共有の広場や専用庭が風の通り道を創り、涼しさを届ける。当分譲地は高台にあるため、地盤も良く、豪雨などの水害にも安心な立地である。
【コミュニティデザイン】
「Sumi-Ka+新故郷」の街では、土地利用協定を結ぶことで、エントランスゲートや共有の中央広場の利用をはじめ、お互いのデッドスペースを有効活用できるような様々な仕掛けを用意。同世代ではなく年齢層や生活スタイルも違う3家族だからこそ、気兼ねなくコミュニケーションが取れるこの街は、今後の住宅業界の常識を覆し、そしてそれが標準となる建築の未来を見据えたLife Style提案型分譲住宅となる。
【デザインのポイント】
  • 「信個共」:3つの異なる家族だからこそ生まれる個々の想い、個性と共有、自分らしさやプライベートを守りつつ、住民同士で支え合い信頼関係を築ける街を創出する
  • 「心孤境」:誰もが持つ心の弱さや孤独。無縁社会や成長の過程で揶揄される社会に対して、ふるさとの原風景のような境界のない交流関係を叶える。
  • 「震子教」:高台の地で震災に対する記録や記憶を子どもたちにに教えることができる。人の温もりや信頼、自分らしさ、そして未来への安心を継承。
審査員評価
不動産事業者だからこその視点で日本の分譲住宅地の問題点をあぶり出し、それに対してユニークなデザイン提案をおこなった秀逸な作品。分譲住宅地の大多数が子育て世代を主たるターゲットと想定しており、そこから来る家族構成の同質性が、住民の多様性や街の持続性を阻害してしまう。これに対して、Sumi-Ka+では、3世代家族、共働き家族、夫婦のみの家族という異なる世帯構成の3住戸を意図的に組み合わせることで、住民間の相互扶助関係を醸成し、コミュニティの形成を試みている。共用部分を積極的に設けることで分棟と感じさせないデザインも、社会的なコンセプトを効果的に補強している。このような多棟構成をクラスター単位として分譲住宅地が形成されれば、これまでにない重層的なコミュニティが出現する可能性がある。