ポラスの分譲住宅

家の中に居心地のいい場所を作る

囲居(かこい)のある家

グローバルホーム株式会社

小杉正信、正木由美子

風景という囲い ×
立つ・座る・寝る等好きな居方
そこは日常にあるとっておきの居心地の場所

概要

『普通』という言葉に含まれる変わらない居心地の良さと、昨今の生活スタイルの多様化への対応を両立する為、窓から見える風景(囲い)と、立つ・座る・寝転がる等(居方)による目線のズレを、その人ごとの居場所を大らかにつつむ『囲居(かこい)』と捉え、日常の営みの中に自分のとっておきの居場所を見つけられる空間をデザインした。

①目線の抜けを意識して配置した大小の窓が、場所やふるまいによって変わる風景を見せ、②室内外の床の高低差によって生まれる目線のずれが適度な距離間を生み、③扉のない大きなワンルーム空間が、居場所の自由性を高め、内と外の境が溶け合うプライベート性のある居住空間を実現した。家族間でもお互いに心地よい距離感をとれる、そんな住まいの提案となる。

扉のない大きなワンルーム空間とし、好きな場所で過ごすことができる

特徴

コンセプト好きなときに、好きな場所で、好きなことができる家

目線の抜けを意識した大小の窓
視覚的になるべくシンプルな設計
扉のない大きなワンルーム空間
コンセプト「特別な時間を設けなくても、日常の中に特別な時間を」
【背景】
毎日が安心・快適に過ごせること。特別過ぎず、普通にちょうどいいこと。今住まいに求められているのは普遍的な居心地の良さの追及とともに、昨今の家族や生活スタイルの多様化へ対応できるかということ。コロナ感染拡大による在宅時間の大幅増加で「つながり」と同時に「1人になれる場所や時間の確保」の重要性、その両立できる住まいの必要性、が浮き彫りとなった。私たちはその両立をしつつ、豊かさや幸せを感じられる日常を過ごせる住まいづくりにめざし、この『囲居のある家』を計画した。
【デザインポイント】
  • 窓 :目線の抜けを意識した大小の窓が、場所やふるまいによって変わる風景を見せ、場所場所の個性を生む
  • ずれ:室内外の床の高低差によって生まれる目線のずれが適度な距離感を生み、緩やかにプライベート空間を作り出す
  • 空間:扉のない大きなワンルーム空間とし、好きな場所で好きなことをできる、居場所を自由に選べるプラン


風景を取り込む際のフレームとなる窓周りの詳細は丁寧に、空調設備吹き出し口なども目立たせぬよう配慮し、視覚的になるべくシンプルに風景だけが見えるよう設計した。床に無垢材を使い、階段はスチールを使うなど、経年変化を楽しみつつメンテナンスもしやすい、持続可能な住まいを目指している。
審査員評価
昨今の住まい方の多様化やコロナ禍における家に対する意識の変化を、家の設計に取り込み、具現化しようとする意欲作であり、家族のつながりと一人ひとりの個別性を両立しようとする姿勢に審査でも注目が集まった。目線の抜けとズレが重要であろうというビジョンを立て、視界を拡張するような開口部の配置の操作、及び、空間に置かれる家具を含めた居場所の高さの操作により、効果的に実現している。2階にはバルコニーを家の中心に設けることで、外部を巻き込んだ広がりを感じさせる住空間となっている。