ポラスの注文住宅

「間」を重ねた寛ぎの住まい

大谷口の家

ポラテック株式会社

ポラテック株式会社 ポウハウスデザイナー: 舘林寛佳
株式会社ポラス暮し科学研究所 インテリアデザイン: 野村聡子

ひとつながりの空間で過ごすこと
接点を誘発する住まい

概要

格子や障子、土間等、日本古来の建築技術は空間を曖昧に切り結び、独特の中間領域をつくり出す。外部空間と内部空間を緩やかにつなぐだけでなく、縦の「間」、横の「間」を重ねることで間仕切りをなくし、そこに住まう人々が「空間」「人」のつながりを感じられることを核に設計した。

「大谷口の家」は、フロアの違う連続した空間で構成され、場を視覚的につないだ中間領域は、住まう家族の生活シーンそのものを紡ぐように、多彩な日々の体験を結びつけ、家族の存在を感じられる居心地の良い住まいを目指した。 ライフスタイルが変化している現代では技術の進化が加速し、利便性を追求していく一方で家族のコミュニケーションの形も変化している「ひとつながりの空間で過ごすこと」その大切な時間の価値を高め、接点を誘発する住まい。

外部空間と内部空間を緩やかにつなぐ

特徴

コンセプト 「和の心」を継承しながら、現代の生活スタイルに合わせた住まい

1階の和室と2階の壁面タイルを同材とし、つながりを表現
中2階のリビングは板貼りの梁を出すことで落ち着いた空間を演出
和室から通り土間と可動式の格子を望む
1階のダイニングキッチンは吹き抜けを介して2階のダイニングと一体となっている
【デザイン概要】
スカイラウンジ:プライバシーを確保したバルコニーは、景観・風 向きを配慮し、意図的に風穴・光を開けることで 生活に「ソラ」を取り込み、プライベートな「ハコ」をつくりこむ。

書斎:吹抜けを介して、家族の気配を感じるとともに主寝 室の奥に配置することでプライベートも兼ね備えるスペースとなる。

ダイニングキッチン:広々としたダイニングキッチンは家族の動線が多く 関わる位置とする。家族同士が直接的に関わる機会を増やすことで豊かなコミュニケーションの場とする。

吹抜け:住まいの中心に計画した吹抜けは、それぞれの空間をつなげるだけでなく、風や光、温度や気配の通り道になる。

リビング:1.5階のリビングは、広がりを感じられるように、 室内側に仕切りは設けず吹抜けと手摺で緩やかに仕切る。バルコニーや外部の壁(A)により落ち着いた 寛ぎスペースとする。

和室:1階のフロアレベルより400mm下げた和室は、穴蔵のような安心感のある空間とする。格子-障子を通し柔らかい光が差し込む。 全てを開放することで外部空間と一体とすることができる。
審査員評価
格子戸や障子、軒先や土間、畳など、伝統的な日本の住宅が持っていた建築言語を駆使し、実に多彩な中間領域を生み出している。その使い方は、単にノスタルジックな嗜好によるものではなく、むしろ現代的な技術と再解釈を通じて展開されたもので、今なおこうした要素が住まいにおいて有効に働くことを示してくれている。一方で、幾つもの床レベルの設定や吹き抜けなど、現代的な言語も随所に展開し、その伝統的な言語と現代的な言語の統合が見事である。