ポラスの分譲住宅

BASE88@練馬光が丘

サイクルスペースを軸に考えた空間提案

中央グリーン開発株式会社

ディレクター:杉山 秀明
デザイナー:諸橋 健二、橋本 伸一、浜岡 淳一郎、
小林 雄一、三瓶 良樹、三浦 徹

住宅地における自転車問題をプランニングで解決
入居後も街並景観を維持

概要

建築から考えるサイクルスペース。昨今、テレワークの普及や健康増進として利用者が増加傾向にある自転車。従来、敷地の余った空間につくられがちなサイクルスペースを外構の一部ではなく建物の一部として捉え、新たな生活動線、心地よさを実現。持続可能なコミュニケーション、緑豊かな街並景観の創出を目的として企画した全34戸の分譲住宅。

特徴

コンセプト サイクルスペースを軸に考えた空間提案

全34戸でサイクルスペースを最大化
軒下に設置したサイクルスペースにより雨雪による劣化を軽減
境界フェンスの排除し、境界ブロックのみにすることですっきりとした街並
道路面に向けた緑地帯の確保
【サイクルスペースを再定義】
自転車は移動手段に留まらず、地域とつながる1つの要素として大切な役割を担っていると考えた。しかしながら自転車は住宅地の景観を崩す要素ともなっている。自動車の利便性を優先した外構計画では、道路沿いに乱雑に並ぶ自転車も目立つ。そこで、改めてサイクルスペースの定義を再考、利便性のみならず街並全体の景観やつながり、結果的に生まれる住⺠のコミュニケーションを意図した。
【駐輪の利便性と景観という2つの両立】
1:玄関横に屋内サイクルスペース確保。2:スロープの設置。3:境界フェンスの排除の3つを行った。建物内に設けられたサイクルスペースへの動線を確保しながらも、ワイドなフロントポーチや従来、サイクルスペースとして配置されていた道路沿いに設けられた植栽スペースにより住⺠の意識が外に向き、近隣住⺠との持続可能なコミュニケーションが無意識的に生まれやすいデザインとした。
審査員評価
「自転車」に着目して計画することにより生まれる、様々な意味が見出される提案。消極的な余剰空間の代わりに、積極的な意味を持つ屋外空間を設けることにより機能的な利便の実現と同時に、オープンで奥行きのある街路との関係性が生まれている。近隣の住み手同士の関係性にもポジティブな意味合いが生じていくことが期待される。シンプルながら多様でリズミカルな表情を持った建物の外観構成も街並みの魅力を高めることに寄与している。