ポラスの分譲住宅

空に包まれ、光満ちる空間

空居間(そらいま)の街

ポラスガーデンヒルズ株式会社

デザイナー:松井孝治

YKK AP株式会社、株式会社est+17、
if design brain一級建築士事務所と共同受賞

空を暮らしに取り込む
内部と外部の心地良いつながりをつくる

概要

敷地はTX流山おおたかの森駅徒歩13分、当分譲地と同規模の敷地でほぼ均一に区画整理された新興住宅街の縁に位置する。

リビングや庭からの景色。街を歩いたときの風景や自然の恩恵・近隣同士の暮らしぶりが垣間見れる伸びやかな郊外の暮らしを考えたとき、平面的な広がりだけでなくオープンカーのような垂直的な自然の広がりを取り込んだ「空」を身近に感じる暮らしは、新しい居心地やつながりを提案できるのではないかと考えた。

内と外の境が溶け合うプライベート性のある居住空間

特徴

コンセプト 空に包まれ、光満ちる空間

空と庭の空気を感じる「空居間そらいま」のある暮らし
森のまちに相応しい街の風景
大開口サッシで内外を曖昧につないだリビング
街全体で空を暮らしに取り込む配当・建物計画を実施
【配棟・建物計画】
各邸の庭や居室に陽光が射すように総2階前提のボリューム構成を見直し、ハーフ平屋住宅を2棟配置した。(ハーフ平屋住宅:2階床面積が1階床面積の1/2程度の住宅。)住宅の2階部分を小さくすることで壁面ラインにずれが生じ、様々なヴォリューム感が生まれ、街並に空が広がった。 平屋部分の恩恵を得た庭にリビングが接するプランニングを行い、日陰をつくるタープ等を設置できる外構フレームを配し、南接道の宅地以外も空や自然を感じる適度なプライバシーのある庭とリビングをつくった。ハーフ平屋住宅の下屋根は空から落ちるように庭空間を覆い内外空間を包む。 所々屋根開口を設けて植栽を庭から連なるように配置し、大開口サッシで内外を曖昧につなぎ、空と庭の空気を感じる「空居間そらいま」のある暮らしをつくった。空居間は自然と住まい手を誘い、その多様な暮らしのアクティビティーは隣住戸や街を行き交う人へ伝播し合い、街の暮らしが育まれていく。
【配棟・建物計画】
家での滞在時間が増えることを想定しなければならない現在、特に郊外型住宅は家の中だけの閉じた暮らしではない、内部と外部のつながり方や使い方を提案し、もっと暮らし方や居場所・居心地の幅を持たせるという点にフォーカスした住宅づくりを進めなければならないと考えた。 外構の計画・施工に際し、建築半外部~外部の空間を緩やかにつなぐ屋根の形状や植樹のバランス・強弱と多様な樹種や樹形にこだわり、市が掲げる森のまちに相応しい街の風景をつくり上げた。
審査員評価
敷地の狭小化と床面積の最大化によって閉鎖的になってしまった郊外の住環境であるが、2階床面積を制限する空比率という独自性の高い考え方を導入した立体的な街区計画により、良好な街並を創出し、住まいの豊かさにつなげるという提案は、新築戸建住宅の分譲に用地取得から一貫して関わる企業の強みを生かしたアチーブである。今後、暮らし方の見直しや、世帯の小規模化が進む中で、展開が期待される取り組みである。