ポラスの分譲住宅

複合型シェアリングコミュニティ

浦和美園E-フォレスト 2021

株式会社中央住宅

戸建分譲設計本部 設計一部
デザイナー:野村壮一郎、酒井かおり、府川哲大、宮崎俊信

株式会社高砂建設、株式会社アキュラホーム 、
株式会社Looop、さいたま市と共同受賞

敷地・景観・暮らし・
エネルギー・モビリティの
複合型シェアリングコミュニティ

概要

今や地球規模の喫緊の課題であるゼロカーボン。さいたま市も2050年までにゼロカーボンシティを目指すことを表明。
本提案の分譲地は、さいたま市の地域活性化総合 特区「次世代自動車・スマートエネルギー特区」事業における脱炭素循環型コミュニティプロジェクトの先導モデル事業の最終期となる街づくり。本プロジェクトでは、街づくりと太陽光発電&EVを活用した独自のエネルギーマネジメントとのハイブリッド開発により、再エネ自家消費率60%超、街区内電力を実質再エネ100%、災害時自立運転15時間を達成。
そして全ての前提として敷地利用の多様化を目的に、敷地拠出型の共有地を全棟に設定し「つなぐ場」を創出。維持管理協定の締結により緑道化された共有地の共同管理を行い良質な住環境とコミュニティを形成し、コモンアクセス設計による歩車分離や多方向避難等レジリエンス性を向上。また雨水利用や装飾菜園、果樹による循環型ライフスタイルを構築している。

敷地拠出型の共有地「フットパス」

特徴

コンセプト 脱炭素循環型コミュニティの構築

敷地を拠出し創出したコモンスぺース
協定樹木により緑化された景観
コモンスペース内の共用ベンチ
循環型素材を配したインテリア
敷地のシェア|コモンアクセスを軸としたランドスケープデザイン
街のサスティナビリティの中核となる住民の交流と共助意識の醸成のため、採納による官地コモンではなく敷地拠出型の共有地を街の骨格となる共有地(民地)利用の電線類地中化となるように創出。それにより採風や広域緑化による良質な住環境を形成。またコモンアクセス設計の標準化によるコミュニティ醸成や多方向避難路の確保、雨水利用タンクや家庭菜園による生活用水・非常時食料の確保等、レジリエンス性を向上させた。
エネルギーシェア|セントラル創蓄配電システム「エネプラザ」
電線類を共有地下に埋設、各住戸の太陽光発電が生む電力をチャージエリアに集約し、各世帯に再分配するエネルギーシェアシステム「エネプラザ」を構築。チャージエリアの蓄電池に加えてシェアリング用やV2G街区のEVにも蓄電し、電力需要時に放電。一般的なスマートハウス単独の再エネ自家消費率は30%、蓄電池連携でも50%程度といわれるが、本プロジェクトでは60%超に引き上げる。
モビリティシェア|EVが街の蓄電池になる「V2G-site」
「浦和美園E-フォレスト2021」全51区画のうち、V2Gのための充放電器が設置可能なエリア15区画を「V2G街区」に設定。街の中央にあるチャージエリア内に 設置されるEV2台と、V2G街区の入居者が保有する電気自動車等(EV/PHEV)を 将来的に街区内のエネルギーマネジメントに組み込むことを見込み、 街区内で発電した太陽光の電力を最大活用。街の再エネ自家消費率60%超の達成に寄与する。
審査員評価
「脱炭素循環型」をテーマに徹底的とも言うべき挑戦を行った事業である。再生エネルギーやモビリティに関わる様々な仕組みは、これからの都市開発・都市再生における重要なモデルとなろう。各所有者が一定の敷地を拠出して設けられた共有土地の考え方は、コミュニティ形成に寄与するアメニティ空間として意味を持ちながら、環境的・機能的な問題解決としても意図されているなど、これから各所で広く共有されるべき多くの知見が実装されたプロジェクトと言える。