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24.12.06
平屋とは?今人気の平屋のメリットや建築相場についても解説
近年、上下の移動がなくコンパクトな動線実現できる平屋住宅が人気を集めています。平屋にはワンフロアで生活が完結するメリットがある一方、2階建てや3階建てとは異なるデメリットもあるため注意が必要です。
この記事では、平屋とはどのような住宅で、どのようなメリット・デメリットがあるのかを解説します。平屋を建てる際の費用相場や維持費の目安、ポラスグループがこれまでに手がけた施工事例などもご紹介します。
1. 平屋とは
平屋とは、1階層のみで上のフロアがない構造の住宅を指します。すべての居住スペースがワンフロアで完結するのが特徴で、一般的な2階建てに見られる階段での移動がありません。
国土交通省が発表した「建築着工統計調査」によると、平屋住宅(居住専用住宅)の年間着工棟数は2013年に3万6,551棟だったのに対し、2023年には5万7,848棟と、1.6倍近くにまで増加しています。高齢化によりバリアフリー対策のニーズが今まで以上に高まっていること、家族とのコミュニケーションを重視する傾向が強まっていることなど、社会的な要因が人気の背景にあると考えられます。
2. 平屋のメリット
統計からも人気の高まりがうかがえる平屋ですが、どのような点が評価されているのでしょうか。一般的な平屋のメリットを6つご紹介します。
2.1 バリアフリーを実現できる
居住スペースがワンフロアで完結し、階段での昇り降りが不要な点が平屋の大きな特徴です。玄関から居室まですべての空間をフラットにすることも可能であり、2階建てや3階建てに比べてバリアフリーを実現しやすいでしょう。
東京消防庁によれば、65歳以上の高齢者による転倒事故のうち約6割が、住宅などの居住場所で発生しているといいます。住宅内の階段や段差を解消することは、こうした転倒事故の防止につながり、長く健康な暮らしが実現します。
もちろん、お年寄りのみならず、小さな子どもやケガ・病気を患っている方にとっても安心な住まいといえます。
2.2 シンプルな動線を作りやすい
階段の昇り降りがなく動線をシンプルにまとめやすいのも平屋のメリットです。
一例として、洗濯時の動線を考えてみましょう。2階建ての場合、1階に洗濯機置き場があると、洗い終わった衣服を2階のバルコニーへ干しに行き、乾いたらたたんで各階の収納にしまう必要があります。洗濯するだけで上下階を往復しなければならず、時間も手間もかかります。
しかし平屋なら、洗う・干す・しまうの作業すべてが平面移動で完結するため、日々の家事負担を軽減できます。
2.3 家族とのコミュニケーションをとりやすい
平屋では、家族全員の生活がワンフロアに集まります。そのため、暮らしのなかで家族同士が顔を合わすシーンが増え、家族同士の関係性が深まる効果が期待できます。子育て世帯であれば、子どもが帰宅後に階段を昇って自室へ直行してしまうことがなくなり、子どもが成長しても会話の機会を維持できるでしょう。
2.4 建物の重心が低いため安定性が高い
平屋は、建物の高さがない分、重心も低いため、建物自体が安定しやすいというメリットもあります。柱を少なくしたり大開口の窓を設けたりもしやすいため、開放感のある広々とした空間を実現しやすいでしょう。
また、上階があることによる構造上の制約もないため、間取りの自由度が比較的高いのもポイントです。
2.5 メンテナンス費用を抑えやすい
住宅の性能や美観を維持するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。とりわけ、約10〜15年に一度おこなうべきとされる外壁・屋根の塗り替えは大きなコストがかかります。
その点、平屋は上階がない分、2階建てに比べて外壁面積が少なく、外壁塗装にかかる費用が少なく済みます。高所作業がほぼ発生しないため足場代を節約できるのも魅力です。これら定期的に繰り返し負担しなければならないメンテナンス費用を抑えられるため、長期的な節約効果が期待できます。
2.6 小屋裏を有効活用できる
平屋では、フロア上部の空間を自由に活用できます。天井を高くして小屋裏やロフトを設ければ、限られた空間を有効活用できるでしょう。
また、天井を勾配天井にすると、空間全体に開放感が生まれます。勾配天井部分にロフト収納や小屋裏収納を設置すれば、平屋で不足しがちなまとまった収納スペースを確保できます。
3. 平屋のデメリット
現代のライフスタイルに合った住まいといえる平屋ですが、検討にあたっては事前に理解しておくべきデメリットもあります。ここでは4つのポイントを見ていきましょう。
3.1 広い敷地が必要
平屋はワンフロアにすべての間取りを収める必要があるため、同じ延べ床面積の家で比較した場合、2階建てよりも広い敷地が必要になります。地価の高い都市部で平屋を建てようとすると、土地代が高額になる恐れがあるので注意しましょう。
敷地面積を節減して少しでも土地代を安く抑えるには、地価の安い土地を選ぶか、建ぺい率制限の緩い土地を選ぶのがおすすめです。建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合を指します。平屋の場合は、敷地面積に対する1階部分の床面積の割合ということになります。
建ぺい率は用途地域に応じて個別に上限が定められているため、平屋を建てる際は建ぺい率の上限が高い土地を選びましょう。
3.2. 平屋は建物の坪単価が高い傾向にある
平屋で2階建てと同じ延べ床面積を確保しようとすると、単純計算で1階部分の床面積を2倍広くしなければなりません。1階部分の面積が2倍になれば、基礎や屋根の面積も2倍になるため、その分建築費用が高くなります。
平屋はトイレや洗面台が1ヶ所で済むこと、階段分の面積を節約できること、足場を組まずに工事できることなど、コストダウンにつながる要素もありますが、効果は限定的です。コストダウンの要素を踏まえても坪単価で考えると割高になりやすいでしょう。
3.3. 周りの建物によっては日当たりが悪くなる場合がある
都市部の住宅密集地にある敷地など、周辺環境によっては日差しや風通しが悪くなりやすい点も平屋のデメリットです。周囲を2階建て以上の建物に囲まれている土地だと、背の低い平屋には自然光や風が届きにくくなります。
平屋でも日当たりや風通しを確保するには、天井を高くして、高窓や天窓を設けるのが効果的です。また、コの字型やロの字型の住宅にして室内に日差しや自然の風を取り込む方法もあります。
3.4. プライバシー確保が難しい
平屋は1階にすべての居住スペースがあるため、道路や隣家など周囲からの視線が室内に届きやすくなります。家族のプライバシーを守るには、塀やフェンス、生垣を設けたり、窓の大きさや配置を工夫したりする必要があります。
また、窓が多いと屋外から簡単に侵入できてしまうため、周囲に人感センサー付きライトや防犯カメラを設置するなどして防犯性を高めることも大切です。
4. 平屋の建築相場と維持費
平屋の坪単価は2階建てに比べて高い傾向にあるとご紹介しましたが、実際に建築するとなるとどれくらいの費用を見込めばよいのでしょうか。維持にかかるコストと併せて金額の目安を見ていきましょう。
4.1 平屋の建築相場
木造の平屋を建築するのにかかる坪単価は、一般的に60万円〜100万円程度です。標準的な延べ床面積30坪前後の平屋で考えた場合、1,500万円〜3,000万円程度が相場となります。
なお、間取りや使用する建材のグレードにより、上記よりも費用が膨らむ可能性もあるため、あくまでも目安の金額になります。
4.2. 平屋の維持費
平屋のメリットとしてメンテナンスコストが安いとご紹介しましたが、外壁塗装を例に見ると、同じ延べ床面積30坪の住宅の場合、2階建てに比べて平屋は総額で20万円〜30万円程度安くなります。平屋は作業用の足場が不要なうえ(組む場合でも高さが低くて済む)、塗装しなければならない面積が小さいため、2階建てよりも費用を抑えられるのです。
また、平屋は上階の重さがかからない分、柱や基礎が痛みにくいのも特徴です。柱などが劣化しにくいため、長期的な修繕費も抑えられます。
5. 平屋の施工事例
平屋の特徴がわかったところで、ポラスグループがこれまでに手がけた平屋の施工事例を3つご紹介します。平屋のメリットをどのように活かしているか、ぜひご覧ください。
5.1. 施工事例① コの字型のウッドデッキで開放感を演出した平屋
最初にご紹介するのは、リビングダイニングから直接出入りできるウッドデッキを中心にコの字型に配置した間取りが特徴的な平屋です。木の格子を設置することで周囲からの視線を遮りつつ、太陽光や風通しをしっかり確保しています。
室内は、大容量のシューズクローク、リビングに隣接した大きなクローゼットなど、収納スペースが充実しています。これならいつでもスタイリッシュで清潔感のある空間を維持できそうです。
5.2. 施工事例② フルオープンキッチンの先に田園風景が広がる平屋
田園風景が残る郊外にあるスタイリッシュな平屋の事例です。水平なルーフラインを基調としたモダンな印象でありつつ、自然の残る周辺環境との調和も意識しています。
洗面室の横には雨の日でも洗濯物を室内干しできるサンルームを設置。ウォークインクローゼットも近くにあり、洗濯動線がコンパクトにまとまっています。キッチン周りも回遊動線にするなど、全体的に使いやすい間取りに仕上がっています。
5.3. 施工事例③ プライバシーを確保した美術館のようなたたずまいの平屋
前面道路から見たときに「本当に家?」と思わず言いたくなる、シンプルでスタイリッシュな外観の平屋です。外観のコンセプトは美術館で、ブルーの壁に映る、時間ごとに角度を変える影まで、デザインの一部に取り込んでいます。
内部は、開放的なリビングに面して縦長なコの字型の中庭を設けています。中庭は建物とブルーの塀に囲まれ、周囲からの視線をシャットアウトできるため、子どもの遊び場としても重宝しているそうです。
敷地の裏側も、窓の配置や大きさを工夫するとともに塀を設けることでプライバシーを保ちながら、中庭を通して光と風をたっぷり取り込んでいます。
6. 平屋と2階建てどちらがよい?
平屋と2階建てには異なるメリット・デメリットがあり、一概にどちらがよいとはいえません。大切なのは、土地の大きさや周辺環境、予算、家族構成などを考慮して自分たちに適した住まいを選ぶことですが、次のようなケースに当てはまるのであれば平屋を検討してもよいでしょう。
- 希望する床面積に対して敷地にゆとりがある
- 周辺に2階建て以上の建物が少ない
- 初期費用が多少かかってもメンテナンスコストをできるだけ抑えたい
- 夫婦2人暮らしや3人家族なので部屋数は多くなくてよい
7. 平屋を建てるならポラス
近年人気が高まっている平屋は、ワンフロアのコンパクトな動線で暮らしやすく、家族とのコミュニケーションが生まれやすい魅力的な住まいです。しかし、広い敷地が必要な点や坪単価が高くなりやすい点には注意が必要です。
埼玉・千葉・東京を拠点に数多くの注文住宅を手がけるポラスでは、お客様の多様なニーズにお応えするため、コンセプト・デザイン・設備の特色などが異なる5つのブランドを展開しています。今回ご紹介した施工事例のように、お客様の希望に沿った理想の平屋住宅をご提供いたします。
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