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25.10.10

注文住宅にかかる費用はいくら?内訳や費用を抑えるポイントについても解説

「注文住宅を建てたいけれど、どのくらいの費用がかかるのだろう」
「注文住宅を建てるときの費用をなるべく抑えたい」
などとお悩みの方は多いのではないでしょうか。

注文住宅は、どのような間取りや設備にするかを自分で選べるため、かける予算によって仕上がりが大きく変わります。

この記事では、注文住宅にかかる費用の相場や、費用を抑えるポイントについて詳しく解説します。

1. 注文住宅とは?

注文住宅とは、間取りや設備を自由に設計し、構造や工法が選択できる戸建て住宅のことをいいます。大きくフルオーダー住宅とセミオーダー住宅に分けることができ、フルオーダー住宅は住宅に関するあらゆる仕様を選び建てる住宅を指します。一方、セミオーダー住宅とは、基本的な仕様があらかじめ決められており、間取りや設備をいくつかのパターンから選んで注文する住宅のことです。

フルオーダー住宅とセミオーダー住宅の主な違いは以下のとおりです。

フルオーダー住宅 セミオーダー住宅
費用 高くなりやすい 比較的安く抑えられる
期間 長期間かかる 短期間で済む
自由度 高い 低い
こだわり 細部までこだわれる 希望が通らない部分がある

2. 注文住宅の費用の内訳は?

注文住宅にかかる費用の内訳は、主に次のとおりです。

  • 土地の購入費用
  • 建物本体の建築費用
  • 頭金
  • 諸費用
  • その他にかかる費用

それぞれ詳しく説明します。

2.1. 土地の購入費用

注文住宅を建てるには土地が必要です。土地を所有していない場合は、まず土地を購入しなければなりません。

土地を購入する際には、次のような費用がかかります。

土地代 土地そのものの代金。全国平均は約1,500万円。売買契約時に手付金、引き渡し時に残代金を支払う
仲介手数料 土地売買の仲介を依頼した不動産会社に支払う手数料。
土地の売買価格の3%+6万円+消費税が上限
印紙代 売買契約書などを作成する際にかかる印紙税。
登記費用 土地の所有者名義変更にかかる登録免許税と、登記手続きを司法書士に依頼する場合の司法書士への報酬
不動産取得税 不動産を取得した際にかかる税金
固定資産税
都市計画税
土地の所有者にかかる税金

2.2. 建物本体の建築費用

建物本体の建築費用は、土地代を除き、家づくりにかかる費用全体の70%以上を占めるといわれます。建物本体の建築費用には次のようなものが含まれます。

仮設工事費用 建設工事に取りかかる際に足場の組み立てや一時的な施設を設置するためにかかる費用
基礎工事費用 建物全体を支える基礎工事にかかる費用
木工事費用 木材の加工や組み立て、取り付けにかかる費用。工事費用のなかで大きな割合を占める
内外装工事費用 外壁、内壁、屋根、天井、床などにかかる費用
住宅設備工事費用 水回りや空調、照明などの設備にかかる費用。グレードやオプションによって費用が変わる
設計料 設計を建築士に依頼した場合に支払う費用。一般的に工事費用全体の10~15%程度が相場

これらの他、付帯工事費として、門や塀、庭などの外構工事、屋外の給排水工事、解体工事、地盤調査・地盤改良工事などの費用が必要に応じてかかります。

2.3.頭金

頭金とは、住宅を購入する際に代金の一部として先に支払う費用で、住宅価格から住宅ローン借入額を差し引いた部分のことです。例えば、3,000万円の住宅を購入する場合、2,500万円を住宅ローンで借り入れるのであれば、500万円が頭金となります。

頭金を支払うことで、住宅ローンの借入額を減らし、毎月の返済負担を軽くできるだけでなく、住宅ローンの審査にも通りやすくなります。

2.4. 諸費用

諸費用とは、土地や建物の建築工事以外にかかる費用のことです。注文住宅を購入するにあたっては、土地や建物以外にも次のような費用がかかります。

保険料
(火災保険・地震保険)
住宅ローンの借り入れをする場合、火災保険の加入は必須
地鎮祭や上棟式の費用 地鎮祭をおこなう場合に神主に支払う謝礼、上棟式をおこなう場合の祝儀や食事代など
家具・家電の購入費用 新居で新たに利用する家具・家電の購入費
引越し代 新居や仮住まいへの引越し費用

諸費用は、家づくりにかかる費用全体の10%程度が相場とされています。

2.5.その他にかかる費用

その他にかかる費用として、ご近所への挨拶の品や大工さんへの差し入れなどの費用も考えておく必要があるでしょう。

3. 注文住宅の費用相場

ここからは、一般的な注文住宅の費用の相場について解説します。全体の相場感を把握しておけば、どのぐらいの資金を用意しなければならないのかが把握でき、計画を立てやすくなるでしょう。

ここでは、土地ありの場合と土地なしの場合を地域別に分けてご紹介します。

3.1. 土地ありの場合の注文住宅の費用相場

土地は所有しており、建物だけを購入する場合の注文住宅の相場は次のとおりです。

地域 世帯年収 建築費用 延床面積
全国 623.7万円 3,715.2万円 122.8平方メートル
首都圏 680.7万円 4,015.9万円 123.4平方メートル
近畿圏 632.7万円 3,990.5万円 126.1平方メートル
東海県 624.5万円 3,788.0万円 125.2平方メートル

出典:2022年度フラット35利用者調査より一部抜粋

調査によると、建物のみの注文住宅にかかる費用は、全国平均で約3,715万円、首都圏平均では約4,016万円です。地域やどのような家を建てるのかによって変わりますが、120〜130平方メートル(約36〜40坪)程度の注文住宅を建てる場合には一般的に3,500万円〜4,000万円程度かかることがわかります。

3.2.土地なしの場合の注文住宅の費用相場

土地を所有しておらず、土地と建物を両方購入する場合の注文住宅の相場は次のとおりです。

地域 世帯年収 建築費用 土地費用 合計 延床面積
全国 659.5万円 3,194.6万円 1,499.5万円 4,694.1万円 122.8平方メートル
首都圏 729.2万円 3,117.9万円 2,288.2万円 5,406.1万円 123.3平方メートル
近畿圏 658.8万円 3,133.4万円 1,760.4万円 4,893.8万円 126.1平方メートル
東海県 659.4万円 3,394.4万円 1,299.5万円 4,693.9万円 125.1平方メートル

出典:2022年度フラット35利用者調査より一部抜粋

調査によると、建物と土地を合わせた注文住宅にかかる費用は、全国平均で約4,694万円、首都圏平均では約5,406万円です。首都圏では土地が高騰しており、土地を含めた注文住宅の費用は他地域と比べて非常に高額になっています。

4.予算1,000万円から4,000万円の注文住宅の特徴

続いて、1,000万円、2,000万円、3,000万円、4,000万円のそれぞれの価格帯ごとに、どのような特徴の注文住宅が建てられるのかをご紹介します。ただし、立地やプラン、設備などによって価格は上下するため、あくまで目安の金額とお考えください。

4.1. 1,000万円台の注文住宅

1,000万円台の注文住宅は、コスト重視で家を建てたい方に選ばれる価格帯です。「予算は少ないけれど早くマイホームを建てたい」「住宅ローン返済の負担を少なくしたい」とお考えの方におすすめです。

極力予算を抑えるため、家づくりにあたっては次のような工夫が必要です。

  • 凹凸の少ない四角形のシンプルな形状にする
  • 延床面積を30坪(約99㎡)以下に抑える
  • 屋根はいわゆる三角屋根といわれる切妻屋根や、1方向に傾斜がある片流れ屋根にする
  • 凝った素材や高性能な設備を使用しない

低コストであっても、工夫次第でシンプルさを活かしたオシャレなデザインの家に仕上げられます。

4.2. 2,000万円台の注文住宅

2,000万円台の注文住宅は、平均よりは低予算ですが、1,000万円台の注文住宅よりも余裕があり、少しグレードアップした素材や設備が使用できます。ただし、希望を取り入れすぎて予算オーバーになりやすい価格帯でもあるため、計画的に予算を配分しなければなりません。盛り込みたい設備や素材に優先順位をつければ、より理想に近い家を建てられるでしょう。

4.3. 3,000万円台の注文住宅

3,000万円台の注文住宅は、平均的な広さとグレードの家を建てられる価格帯です。デザインや設備などにおいてすべての希望を実現するのは難しいですが、その多くを取り入れられるでしょう。さらに、こだわる箇所とコストを抑える箇所のバランスを取ることで、より理想的な家が実現します。

できることが増える分、プランを決めるのに時間がかかってしまうこともあると思いますが、家族でしっかりと話し合って決めることが大切です。

4.4. 4,000万円台の注文住宅

4,000万円台の注文住宅は、さまざまなプランが実現可能な価格帯です。「とにかくこだわりの詰まった家に住みたい」「予算がかかっても好きなデザインや高機能な設備を取り入れたい」といった希望の多くが実現できます。広い家、中庭付き、凹凸の多い外壁など、より希望にあった家を建てられるでしょう。

注文住宅は、建ててから何年、何十年と住み続けるものです。こだわりを詰め込んだ理想的な家を建てるのも、すばらしい選択肢といえるでしょう。

5. 注文住宅費用を支払うタイミングは?

注文住宅の費用を支払うタイミングについて、土地代金と建物代金のそれぞれの場合に分けて解説します。

5.1. 土地代金を支払うタイミング

土地代金を支払うタイミングは、基本的に次の2回です。

  1. 売買契約時:手付金と仲介手数料
  2. 引き渡し時:残代金と諸費用

土地代金は建物代金の支払いよりも先に支払う必要があるので注意してください。土地探しをハウスメーカーに依頼すれば、建物代金も含めたトータルの支払い計画を立てやすくなります。

5.2. 建物代金を支払うタイミング

建物代金を支払うタイミングは、通常次の4回です。

  1. 契約時:契約金
  2. 着工時:着工金
  3. 上棟式時:上棟金
  4. 完成時(引き渡し時):最終金、残代金

ただし、ハウスメーカーによって支払う回数やタイミング、支払い方法が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

6. 注文住宅の資金計画の作り方

注文住宅を建てる際にかかる費用が把握できたら、資金計画を具体的に立てていきましょう。

資金計画は次の3ステップで作るのがおすすめです。

  1. 頭金(自己資金)の額を決める
  2. 住宅ローンの借入額を決める
  3. 住宅ローンの種類・名義・返済期間を選ぶ

それぞれ解説します。

6.1. 頭金(自己資金)の額を決める

まずは、頭金(自己資金)の額をどの程度用意するのかを決めます。

注文住宅購入の際の頭金は、住宅資金全体の20%以上を用意するのが望ましいとされています。3,000万円の住宅を購入するのであれば、用意する頭金は600万円以上が目安です。

頭金を多く用意することで住宅ローンの返済は楽になりますが、その分現在の預貯金が減り、生活が苦しくなる可能性もあります。現在の状況と将来を見据えて、無理のない範囲で頭金を用意しましょう。

6.2. 住宅ローンの借入額を決める

次に、住宅ローンの借入額を決めます。借入額を検討する際は次の2つのポイントを押さえましょう。

  1. 無理なく返済できる金額はいくらか
  2. 借りられる金額はいくらか

まずは、月々いくらであれば無理なく返済できるのかを見極めることが大切です。現在支払っている家賃などを基準にして、「今の家賃より支払いが増えると厳しい」「あと3万円程度なら増えても問題ない」といったように考えると検討しやすいでしょう。

次に、借りられる住宅ローンには上限があるという点に気をつけなければなりません。

住宅ローンで借りられる額は、勤務先、雇用形態、年齢、資産状況などによっても変わりますが、一般的な基準として、年収の6〜7倍が住宅ローンの上限額といわれています。年収400万円であれば2,400万円〜2,800万円程度、年収800万円であれば4,800万円〜5,600万円程度が上限の目安です。

6.3. 住宅ローンの種類・名義・返済期間を選ぶ

最後に、住宅ローンの種類・名義・返済期間について決める必要があります。

住宅ローンは、金利のタイプによって次の3種類があります

全期間固定金利 完済までずっと金利が変わらない
期間選択型固定金利 一定期間金利が変わらず、その後は変動金利にするか再び固定金利にするか選択する
変動金利 原則半年ごとに金利が変動する

固定金利は毎月の返済額が変わらないため返済計画を立てやすいですが、金利が高くなるデメリットがあります。変動金利は、半年ごとに金利が見直されるためトータルの金利は低くなりますが、金利上昇時には返済額が大きくなる点に注意が必要です。

ポラスでは、半年ごとに適用金利の見直しがあっても、毎月返済額は5年間変わらないため、安心して資金計画を立てることが出来ます。

住宅ローンは、誰の名義にするかも重要なポイントです。名義は主に次の2つに分けられます。

単独名義 1つの不動産に対して所有者が1人の状態
共有名義 1つの不動産に対して所有者が複数人いる状態

1つの物件に対して夫婦がそれぞれ住宅ローンを組むペアローンという仕組みもあります。ペアローンを利用すると借入額を増やせますが、どちらか一方の収入が減った場合や離婚した場合のリスクも考えなければなりません。

住宅ローンを何年で返済するのかについても計画を立てておく必要があります。住宅ローンの返済期間には上限があり、一般的な基準としては、最長35年まで、かつ完済時の年齢が80歳までとされています。返済期間を長くするほど毎月の返済額の負担は軽くなりますが、金利の支払いが増える分、返済額の総額が大きくなるというデメリットがあります。

7. 注文住宅の費用を抑えるポイントは?

最後に、注文住宅の費用を抑えるポイントについて解説します。

7.1. 土地代金の予算を減らす

土地代金は立地によって大きく異なり、別のエリアや駅から少し離れた土地にすることで価格が大きく下がることがあります。また、北向きの土地や変わった形の土地は割安な傾向にあります。建築や暮らしに不向きな面もあるかもしれませんが、工夫して設計することで快適な家にすることもできるでしょう。

7.2. 間取り・建物の形状を変える

注文住宅の建築費用は、間取りや建物の形状によって大きく変わります。例えば、建物をなるべく凹凸の少ない四角形のシンプルな形状にすることで費用を抑えられます。複雑な形になるほど壁の面積が増え、その分壁材などに必要な材料費が増えるためです。

また、キッチンやお風呂、洗面台などの水回りをワンフロアにまとめると、予算を抑えつつ生活しやすい住宅にできます。

7.3. 水回り・空調などの設備のランクを下げる

キッチン、お風呂、床暖房、照明、太陽光発電などの設備は、こだわるとどんどん費用がかさみます。本当に必要であるかを検討し、ハイグレードなものでなくてもよい場合は設備のランクを下げることでコストを抑えましょう。

7.4. セミオーダーの注文住宅を選ぶ

セミオーダー住宅は基本的な仕様があらかじめ決められており、間取りや設備をいくつかのパターンから選んで注文します。そのため、完全に自由には設計できませんが、フルオーダー住宅に比べて費用を抑えられます。多くの希望条件を詰め込んだフルオーダー住宅にすると失敗するリスクがありますが、セミオーダー住宅であれば失敗しにくく、その点でもおすすめできます。

7.5. 税金控除や補助金制度を活用する

住宅購入時、一定の要件に該当すれば、税金控除や補助金制度が利用できます。例えば、毎年の住宅ローン残高の0.7%を最大13年間、所得税から控除する住宅ローン控除(減税)などがあります。(2025年10月10日時点)
参考:国土交通省「住宅ローン減税」

補助金制度としては、省エネルギー住宅に対するZEH補助金などがあります。ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、高い断熱性能や高効率な設備による省エネと、太陽光発電などによって再生可能なエネルギーを創り出す創エネを実現する住宅を指します。
参考:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス補助事業「令和6年度ZEH補助金」

これらの税金控除や補助金制度を上手に活用することで、よりお得に注文住宅を建てられます。時期や地域によっても活用できる制度が異なりますので、使える制度がないかリサーチしてみましょう。

8. 注文住宅を建てるならポラス

せっかく注文住宅を建てるなら、できるだけこだわりを実現したいものです。しかし、予算とのバランスもしっかりと考えなければなりません。

ポラスでは、お客様のご予算の範囲で最大限の理想を実現するため、丁寧なヒアリングでご要望をうかがいながら家づくりを進めています。注文住宅を建てたいとお考えの際は、ぜひお気軽にポラスにご相談ください。

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