ポラスの分譲住宅

防災意識を高め、
循環しつづける街

ポラスタウン開発株式会社

ディレクター :板倉秀樹
デザイナー :内田里絵、小島竜一郎、紋谷敬一郎、覚張郁美、加来龍志、清水博子

災害に強い街をつくるための
プロジェクト

コンセプトいつもともしもに寄り添う、
境界のない暮らし

概要

災害時に「公助」をただ待つのではなく、「自助」と住民同士の「共助」 が実践できる災害に強い街としてデザインした。

昨今、公助という言葉を耳にすることが多くなった。しかし、国や自治体による公助だけでは、災害時の救助活動などでは全体をフォローしきれなくなることが懸念されている。そこで、暮らしの中で防災を学び、自然に実践できるような「防災意識を高める」環境をつくることが、未来にとって重要だと考えた。加えて、価値観が多様化する現代に求められる持続可能なコミュニティを形成するため、様々な世代や考え方を持つ人たちが偏在し、横断的に交流できる「循環しつづける街」づくりを目指した。

また、今回の建設地である宮代町は「自助と共助による市民自治」という考え方をもとに「市民自治のまちづくり」を進め、より良い宮代町の実現を目指している。分譲地が地域コミュニティの中核としての役割を果たすことで、より良い地域の実現の一助にもなると感じた。

いつもともしもに寄り添う、境界のない暮らし

特徴
横断的に交流できる「循環しつづける街」づくり
住民同士で会話を楽しむことのできるベンチ
ライフスタイルの多様化に対応する住まいを創出
縁側のような感覚で寛ぐことができるウッドデッキ
3つのスタイルが生む、循環しつづける街
ファミリー、ペット、ディンクス&アクティブシニアの3つの家族形態を想定し、多様な価値観を持つ人々が暮らすコミュニティを形成。ベンチやウッドデッキを配置することで、世代を超えた日常的な交わりを促し、子どもがシニアから学ぶ等、互いの役割を尊重し、他者を思いやる「共助」の意識の循環を目指した。
いつもともしもに寄り添う、境界のない暮らし
日常的に身の回りにある物が非常時にも役立つというフェーズフリーの考えと専門家の意見を取り入れた街と家を創出。住民の憩いの場が災害時に避難所となる共有地を計画して「共助」を育むとともに、「住教育」を取り入れることで、日常生活の中で「自助」を学び、将来に渡り防災意識を高める家を設計した。
共助・自助につながるコミュニティ
誰かを気遣う「共助」と、自ら考え行動する「自助」の醸成が自然にできる街づくりと家づくりを目指し、住民主動の管理組合を結成。定期的に防災イベントを行い継続させる仕組みを計画した。また分譲地内に留まらず、地域住民と交流できるワークショップも企画し、「共助」による地域の拠点としての役割も担う。
審査員評価
全37戸の分譲地の開発である。テーマは防災であり、非常時に備えるために各住宅に防災基盤を整え、さらにはエリア全体として防災意識が高まるような共助的運営を支援するというプロジェクトの核は意図が明快である。
災害発生に備えて必要な防災設備を整えるというハード面だけでなく、地域コミュニティでの積極的な共助を促すソフト面の両輪に取り組もうとする姿勢が高く評価された。