ポラスの分譲住宅

路地のある分譲住宅

リーズン流山おおたかの森
悠景のヴィラ

株式会社中央住宅

戸建分譲設計本部 設計一部
ディレクター:野村壮一郎
デザイナー:野村壮一郎、府川哲大、町田純一、沼田裕樹、宮澤伸行、堀越駿平

敷地の境界線を境界空間とする提案

コンセプトレジリエンス・
コミュニティ・シーナリーを高める
路地の創出

概要

流山おおかたの森の区画整理地内に建つ8邸の分譲住宅。
地役権による敷地の共有化で街の骨格状に園路のようなフットパスを設定。歩車分離や多方向避難路等のレジリエンス、コモンアクセス設計によるコミュニティの自然醸成、石畳や木立ちによる景観形成等、ミニ開発ながら豊かな住環境を相互に創出するデザインを重視した街づくりである。

敷地境界を「線」として捉え、区画割と建物配置を考えるのが従来だが、当プロジェクトではその一次元的な「線」を二・三次元的な「空間」として再構成した点が新しい考え方である。ここでは開発地を南北に縦断する境界部を空間化することで、建物の「裏側」や敷地内の「未利用地」を解消。そして路地コモンへの建築や庭の開き方・配置・形状を一体で計画し、プライベート空間を分散配置しながらパブリックな出会いの場を設け、全世帯の日常に寄り添うアメニティ空間を構築している。

全邸標準設計としたコモンアクセスによるコミュニティ

特徴
境界空間となる路地を骨格状に設定したランドスケープ
路地を中心にプライバシーレベルを設定したゾーニング
国産材等の自然素材を採用し環境設計を具現化した内装
美しい夜景が住まい手を癒すとともに防犯も叶える路地
背景
本事業の計画地を始めとする、多くの区画整理地内に見られる整然とした街並には、道路までの距離は確保され沿道の緑化は促進されるが、ゆとりある敷地面積に反比例し建物同士が接近し、互いの視線や生活音の交錯が生まれることがある。そして物理的にも境界部の狭い空間が発生することで、日本の分譲地開発の課題である「敷地の一部の未利用地化」が多く見られる。また西側道路向かいには保育園があり、朝夕の送り迎えの人と車両の往来があり、公道に直接アプローチする従来の計画では安全面に懸念があった。それらの画一的な開発により発生し得る問題や近隣状況の懸念を払しょくするため、建物同士の距離の確保と敷地の有効利用、公道までのクッション空間の創出による歩車分離等、 敷地計画と建物配置、外構デザインまで一体で取り組んだ。
デザインのポイント
1. 8棟を縦断する敷地境界線から1mずつ敷地を拠出し合うことで街の骨格状に「境界空間」 となる路地を創出
2. 各邸の玄関をフットパスに向けるコモンアクセスとして歩車分離と多方向避難を実現し常時レジリンスを確保
3. 出会う場の創出と庭の分散配置、木立ちや格子による視線回避等、コミュニティ形成とプライバシー確保を両立
コミュニティの考え方
本提案では出会う場と寛ぐ場を分散させつつ日々自然に発生するさりげないコミュニティを重視。公園のような広場状の派手なコモンとは異なり、決して広くはないが「全邸が接する路地状」とすることで住まい手の日常に寄り添うコモンをつくり小棟数ながら良質な住環境の形成を図った。そして本プロジェクトをプロトタイプとして他の分譲地にも同手法を展開している。
※他の受賞実績:インターナショナルデザインアワード2021建築部門入賞、第17回キッズデザイン賞、ユニソンフォトコンテスト2022最優秀賞等。
審査員評価
3方向を道路に囲まれた8棟の住戸の集まり。通常ならば共有地を広場にしてしまうところだが、このプロジェクトでは路地とし、玄関やポストを路地側に配置することで、歩行者の日常的な通行・出会いを誘導し、路地を介して、住民どうしが自然なコミュニティを育んでいく効果に期待している。路地が歩行者の場であるのに対し、道路側に駐車場を設けるという配置の使い分けも巧みである。 名ばかりの共有地とは一線を画す形で、子どもたちの遊び場になったり、たわいもない会話や挨拶の場になったり、この路地から様々な日常のシーンを無理のない形で生み出すであろうことが想像され、評価を集めた。