「蔵」を活かす

旧日光街道沿いで、およそ120年間
越谷の街を見つめ続けてきたお屋敷 はかり屋。
およそ120年の時を経て
こだわりのショップ、レストランを
体験できる
古民家複合施設として生まれ変わりました。
人々の想いや街の歴史を過去から現代 そして未来へと
繋げていける存在であり続けたい。
それが私たちの願いです。

Profile

池ノ谷 崇行Ikenoya Takayuki
株式会社中央住宅 戸建分譲設計本部
トータルプロデューサーとしてデザインを手がけ、
行政・住民関係各所との調整を行う。

人々が集い、賑わう場所
地域資源の活性化による
地域活性化プロジェクト

江戸時代から残る古民家を再生し、
個性的なテナントが集結する「はかり屋」。
幅広い世代から支持され、
地域へにぎわいを創出し続ける、
新しい地域交流拠点となっている。

:はかり屋との出会い

「ことのは越ヶ谷〜蔵のある街づくりプロジェクト」は2013年にスタート。そのさなか2015年にはかり屋の用地取得がありました。当初はすべて解体して4棟の新築分譲住宅を建てる予定で敷地を取得しましたが「ことのは越ヶ谷」のプロジェクトの進行中で、かつ、建物が旧日光街道沿いでも1・2を争う由緒ある建築物で地元住民の方々からも旧日光街道のシンボリックな位置づけとして長年存在し続けていることを知り建物すべてを残し、旧日光街道の活性化の拠点になる空間にしようという願いのもと「はかり屋」のプロジェクトがスタートしました。

はかり屋 現地調査

はかり屋は元の所有者様が直前まで住まわれていたということもあり非常に良い状態でした。主屋は、建具等に隙間がありましたが構造としては関東大震災等を潜り抜けてきただけあり、しっかりとしたものでした。蔵は壁が一部はがれている箇所があったり、屋根が傾いているところがあったりと修繕が必要でした。元所有者様に建物を案内して頂いて歴史や造り、使用している材料等細かくご説明して頂きました。所有者様の熱の入ったお話を聞いていると建物に対する愛着がひしひしと伝わってきました。改めて建物の歴史の重さを知ったのと同時に残すことの難しさ、どうすれば地域のための建物に生まれ変わらせることができるのかという思いがありました。

改修コンセプト

100年以上前から存在し、地元住民の方の目に触れてきた建物なので越谷の原風景を残すという想いのもと外観は当時の面影を崩すことなく工事を行いました。今では中々手に入りづらい材料を使用している建物なので使われているものを極力残して活用しました。建物にゆがみがあったので建具工事等は現場合わせで職人が微調整を行い納めていきました。飲食店等のテナントのためのライフラインの引き込みは景観を損なうことがないように特に慎重に行い、土間や壁の仕上げの素材は熟考しました。また、登録有形文化財の登録を目指しており、取得によって建物を残すという想いが未来に渡って続くことを願っています。
こだわりのショップ・レストランを体感できる
古民家複合施設「はかり屋」

旧日光街道沿いで1906年より約120年もの間、越谷のまちを見つめ続けてきたはかり屋。2018年4月に120年の時を経て、6つのこだわりのショップやレストランの集まる古民家複合施設「はかり屋」として再生しました。食から、インテリア、癒しやクリエイティブスペースなど多彩なジャンルの各店に多くのお客様が来場しています。

自立した運営への取り組み

今後はかり屋をモデルケースに第2第3の古民家施設が続くようにと行政の補助なしで自立した運営をできることを一番に考えました。まちづくり会社の事例は全国的にいくつかありますが越谷にあった(越谷ができる)システムを模索し現在の仕組みができました。運営していく中で更にブラシュアップしていく必要があると考えています。
越谷市と中央住宅でまちづくりに関する協定を結んでいるので、今後も情報交換をしつつ新たな案件があれば積極的に取り組んでまいります。はかり屋のような施設が増え旧日光街道が当時のような賑わいがでることを願っています。
地域の力を借りて、新たな地域交流拠点に

「行政」・「民間」・「地元団体」と“活かし続けるため”の仲間を集め、「越ヶ谷まちづくり会社」を設立。建物所有者とテナントを結ぶマッチング機能を構築しました。「越ヶ谷まちづくり会社」には、人と建物と地域を結びつける機能を持たせました。まずは、「越ヶ谷まちづくり会社」が建物を一次リース。そして、実際の運営を行う事業者(=仲間)とマッチングし、二次リースする仕組みです。助成金に頼らず自律的な運営を行なっています。今後同様のケースで街の活性を促進。また、歴史的な建物の活用を通じた街活性の情報発信源であるとともに、「越谷の街を共に良くしていきたい」と考える仲間を発掘する場となり地域の行事と併せたイベント等の企画も随時行っています。

街に広がる郷土愛

「はかり屋」の誕生によって地元の住人が集まり、新たな、賑わいが生まれた越ヶ谷のまち。その活気に刺激を受けて、近隣にベーカリーや子ども食堂が開設されました。そして、相乗効果を及ぼし、その店舗にも数多くの人々が来店。郷土である越谷の地を愛する人たちの想いは、今、幾重にも広がりつつあります。

まちづくり会社・建築士 代表理事
畔上 順平Azegami Junpei

まちづくり会社として、はかり屋全体の運営、管理を行う。建築会社としてもはかり屋の店子に 加わり、主に衣食住の「住」の魅力を発信。事業者の皆さんと日々意見を交わしながら、はかり屋の価値向上に努めている。

中央住宅さんからはかり屋を貸していただける機会をいただき、まずは管理出来る体制を整えるために地元の仲間と共に「まちづくり会社」を立ち上げました。はかり屋が改修される前から調査やイベントを通じて関わらせて頂いております。
衣食住がバランス良く混在したはかり屋の機能と、歴史的建造物という特殊な空間が織りなす独特の雰囲気が、思ってもみなかった効果を発揮しているように思います。事業者それぞれの力が、足し算ではなく、掛け算的な効果を生み出し、予想以上の反応を頂いております。
歩く人がいなかった商店街にお客さんが戻って来たことは本当に驚きました。まだまだ商店街に日常的な賑わいが戻るまでには遠い道のりではありますが、着実に進んでいるように思います。はかり屋のメンバーも、自分たちの事業や活動によって街 がいきいきとしている実感を得ています。
はかり屋をベースにした現代の宿場町を演出していきたいと思っています。江戸時代には日光街道を行き交う人々の需要を満たしてきた宿場町の機能ですが、これからは近隣住民に愛され、毎日楽しく過ごせるハレとケの場を提供していきたいと思っ ています。具体的には、街道沿いに残る歴史的建造物や空き店舗を活用しながら、魅力的な街並みを創造し続けたいと思います。
地域の発展や価値向上を追求していくことは、地元企業にとっても有益であり、地域からの信頼を得ることにも繋がるものと思 います。今回地域の財産でもある、はかり屋を残して頂いたことを、地域の人たちは忘れることはありません。これからも地域の発展と価値向上に向けた取り組みに期待をしております。

About

はかり屋 概要

江戸時代から残る古民家を再生し、
個性的なテナントが集結する「はかり屋」。
幅広い世代から支持され、
地域へにぎわいを創出し続ける、
新しい地域交流拠点となっています。

名称:はかり屋
所在地:埼玉県越谷市越ヶ谷本町8番8号
推定竣工時:明治38年(推定築年数約120年)
敷地面積:610.96㎡
延べ面積:279.02㎡

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